約 1,060,502 件
https://w.atwiki.jp/srwz2nd2/pages/141.html
パイロットデータ - 機体データ - ユニット運用 - パイロット育成 機動戦士ZガンダムZガンダム ウェイブ・ライダー 百式 メタス メタス(MA) 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアνガンダム ∀ガンダム∀ガンダム ∀ガンダム(強化) スモー(ゴールドタイプ) 機動戦士Zガンダム Zガンダム 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 4700 7200 8450 EN 170 270 320 装甲値 1000 1600 1900 運動性 115 165 190 照準値 145 205 235 カスタムボーナス 『ビーム・サーベル(ハイパー)』の攻撃力+400、CRT+30 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 バルカン砲 射撃 SP- 2000→3900→5400 1~2 +30 +10 10 - - AAAA 運動性▼ グレネード・ランチャー 射撃 --- 2700→4600→6100 1~5 +10 -5 6 - - AABA ビーム・ライフル 射撃 -PB 2800→4700→6200 2~4 +15 +5 10 - - AACA ビーム・サーベル 格闘 -PB 2900→4800→6300 1~2 +20 +10 - 5 - AAAA ビーム・コンフューズ 格闘 -PB 3500→5400→6900 1~3 +10 +20 - 20 110 AABA ハイパー・メガ・ランチャー 射撃 --B 4200→6100→7600 2~7 +5 +10 - 40 - AACA ビーム・サーベル(ハイパー) 格闘 -PB 4500→6400→7900(4600→6500→8000)4900→6800→8300(5000→6900→8400) 2~3 +20 +10+40 - 50 130 AAAS ニュータイプL4バリア貫通サイズ差補正無視 ウェイブ・ライダー突撃 格闘 -P- 5000→6900→????(5100→7000→????) 1~2 +30 +20 - 80 140 AAAS ニュータイプL6バリア貫通サイズ差補正無視 機体性能 移動力 6 移動タイプ -陸-- 地形適応 空陸海宇C A B S サイズ M パーツスロット数 2 特殊能力 剣 盾 変形 バイオセンサー サイコフィールド 29話イベントで特殊能力「バイオセンサー」追加、「ビーム・サーベル(ハイパー)」、「ウェイブ・ライダー突撃」の攻撃力+100。 バイオセンサー気力130以上、ニュータイプL5以上で発動。運動性+10、照準値+10。武器「ウェイブ・ライダー突撃」追加。特殊能力「サイコフィールド」追加。 サイコフィールド2000以下の全属性ダメージを無効化。発動時EN5消費。 ウェイブ・ライダー 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 4700 7200 8450 EN 170 270 320 装甲値 900 1500 1800 運動性 125 175 200 照準値 145 205 235 カスタムボーナス 『ビーム・サーベル(ハイパー)』の攻撃力+400、CRT+30 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 ビーム・ガン 射撃 -PB 2500→4400→5900 1~4 +20 ±0 - 5 - AACA ビーム・ライフル 射撃 --B 2800→4700→6200 2~6 +15 +5 10 - - AACA 機体性能 移動力 8 移動タイプ 空--- 地形適応 空陸海宇A C C S サイズ M パーツスロット数 2 特殊能力 変形 バイオセンサー サイコフィールド 29話イベントで特殊能力「バイオセンサー」追加。 バイオセンサー気力130以上、ニュータイプL5以上で発動。運動性+10、照準値+10。特殊能力「サイコフィールド」追加。 サイコフィールド2000以下の全属性ダメージを無効化。発動時EN5消費。 百式 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 4500 7000 ???? EN 160 260 ???? 装甲値 900 1500 ???? 運動性 115 165 ???? 照準値 145 205 ???? カスタムボーナス 『メガ・バズーカ・ランチャー』の攻撃力+400 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 バルカン砲 射撃 SP- 1900→3800→???? 1~2 +30 +10 10 - - AAAA 運動性▼ ビーム・ライフル 射撃 -PB 2800→4700→???? 1~4 +10 ±0 8 - - AACA ビーム・サーベル 格闘 -PB 2900→4800→???? 1~3 +20 +10 - 5 - AAAA クレイ・バズーカ 射撃 --- 3400→5300→???? 2~5 +10 +5 8 - - BABA メガ・バズーカ・ランチャー 射撃 MAP --B 3600→4400→????4000→4800→???? 1~7 ±0 ±0 - 90 130 AACA サイズ差補正無視 モビルスーツ隊連携攻撃 射撃 -PB 4000→5900→???? 1~3 +20 +10 3 - 110 AABA バリア貫通サイズ差補正無視 メガ・バズーカ・ランチャー 射撃 --B 4600→6500→????5000→6900→???? 3~8 ±0 ±0 - 60 120 AACA サイズ差補正無視 機体性能 移動力 6 移動タイプ -陸-- 地形適応 空陸海宇C A B S サイズ M パーツスロット数 3 特殊能力 剣 『メガ・バズーカ・ランチャー(MAP兵器)』の範囲(方向指定型・敵味方識別不可) □□□□□□□□□□ □□□■■□□□□□ □→■■■■■■■□ □□□■■□□□□□ □□□□□□□□□□ メタス 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 3900 6400 7650 EN 100 200 250 装甲値 800 1400 1700 運動性 110 160 185 照準値 140 200 230 カスタムボーナス 特殊能力『補給装置』を得る 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 ビーム・サーベル 格闘 -PB 2400→4300→5800 1 +20 ±0 - 5 - AABA アーム・ビーム・ガン 射撃 --B 2600→4500→6000 2~5 +15 ±0 8 - - AACA 機体性能 移動力 6 移動タイプ -陸-- 地形適応 空陸海宇C A B A サイズ M パーツスロット数 4 特殊能力 剣 変形 修理装置 補給装置 メタス(MA) 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 3900 6400 7650 EN 100 200 250 装甲値 850 1450 1750 運動性 115 165 190 照準値 140 200 230 カスタムボーナス 特殊能力『補給装置』を得る 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 アーム・ビーム・ガン 射撃 -PB 2500→4400→5900 1~3 +5 ±0 8 - - AACA 機体性能 移動力 7 移動タイプ 空--- 地形適応 空陸海宇A C C A サイズ M パーツスロット数 4 特殊能力 変形 修理装置 補給装置 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア νガンダム 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 4800 7300 ???? EN 170 270 ???? 装甲値 1000 1600 ???? 運動性 120 170 ???? 照準値 145 205 ???? カスタムボーナス 『フィン・ファンネル』の攻撃力+400、射程+1、弾数+4 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 バルカン砲 射撃 SP- 2100→4000→???? 1~2 +25 +10 10 - - AAAA 運動性▼ ビーム・キャノン 射撃 --B 2700→4600→???? 1~5 +15 +15 8 - - AACA ビーム・ライフル 射撃 -PB 3200→5100→???? 2~4 +10 +5 10 - - AACA ニュー・ハイパー・バズーカ 射撃 --- 3400→5300→???? 2~6 +5 +5 6 - - BAAA ビーム・サーベル 格闘 -PB 3500→5400→???? 1~2 +20 +10 - 20 - AAAA 連続攻撃 射撃 -P- 4200→6100→???? 1~3 +15 +20 3 - 110 AABS バリア貫通 フィン・ファンネル 射撃 --B 4300→6200→????4700→6600→???? 2~82~9 +30 +30 610 - 105 BACS ニュータイプL2バリア貫通サイズ差補正無視 機体性能 移動力 7 移動タイプ -陸-- 地形適応 空陸海宇C A B S サイズ M パーツスロット数 2 特殊能力 剣 盾 IフィールドΔ サイコ・フレーム IフィールドΔ射撃のビーム攻撃によるダメージを1500軽減。気力110以上で発動。発動時、ENを10消費。 サイコ・フレーム気力130以上、ニュータイプL5以上で発動し、機体が強化されます。 運動性+10、照準値+10。「連続攻撃」の攻撃力+200、命中+10、CRT+10。「フィン・ファンネル」の攻撃力+400、射程+1、命中+10、CRT+20。 ∀ガンダム ∀ガンダム 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 5200 7700 ???? EN 180 280380 ??? 装甲値 1100 1700 ???? 運動性 115 165 ??? 照準値 145 205 ??? カスタムボーナス 最大EN+100特殊能力『EN回復(大)』を得る 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 手刀 格闘 -P- 2700→4600→???? 1~3 +30 +10 - - - AAAA ビーム・ライフル 射撃 --B 2800→4700→???? 2~6 +5 +5 8 - - AACA ガンダム・ハンマー 格闘 -P- 3200→5100→???? 2~4 ±0 +10 4 - - BSBA ビーム・サーベル 格闘 -PB 3300→5200→???? 1~3 +25 +10 - 15 105 AAAA ビーム・ドライブ・ユニット 射撃 -PB 3500→5400→???? 2~4 +10 +5 - 30 AACA ミリシャ一斉攻撃 射撃 -P- 3600→5500→???? 1~2 +20 +20 2 - 110 BASA バリア貫通サイズ差補正無視 ビーム・ライフル(高出力) 射撃 --B 4300→6200→???? 3~7 +10 +5 - 50 120 AACA 機体性能 移動力 6 移動タイプ 空陸-- 地形適応 空陸海宇A S B A サイズ M パーツスロット数 2 特殊能力 剣 盾 Iフィールド HP回復(小) EN回復(大) Iフィールド射撃のビーム攻撃によるダメージを1000軽減。発動時、ENを10消費。 HP回復(小)自軍フェイズ開始時に最大HP値の10%が回復します。 ∀ガンダム(強化) 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 5200 7700 ???? EN 200 300400 ??? 装甲値 1100 1700 ???? 運動性 120 170 ??? 照準値 145 205 ??? カスタムボーナス 最大EN+100。特殊能力『EN回復(大)』を得る。 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 手刀 格闘 -P- 2700→4600→???? 1~3 +30 +10 - - - AAAA ビーム・ライフル 射撃 --B 2800→4700→???? 2~6 +5 +5 8 - - AACA ガンダム・ハンマー 格闘 -P- 3200→5100→???? 2~4 ±0 +10 4 - - BSBA ビーム・サーベル 格闘 -PB 3300→5200→???? 1~3 +25 +10 - 15 105 AAAA ビーム・ドライブ・ユニット 射撃 -PB 3500→5400→???? 2~4 +10 +5 - 30 AACA ミリシャ一斉攻撃 射撃 -P- 3600→5500→???? 1~2 +20 +20 2 - 110 BASA バリア貫通サイズ差補正無視 ビーム・ライフル(高出力) 射撃 --B 4300→6200→???? 3~7 +10 +5 - 50 120 AACA 月光蝶 射撃 MAP S-- 5000→5800→???? 1~6 +25 +5 - 120 150 AAAA 装甲値▼バリア貫通サイズ差補正無視 月光蝶 射撃 SP- 5500→7400→???? 1~2 +30 +5 - 80 140 AAAA 装甲値▼バリア貫通サイズ差補正無視 機体性能 移動力 7 移動タイプ 空陸-- 地形適応 空陸海宇A S B A サイズ M パーツスロット数 2 特殊能力 剣 盾 Iフィールド HP回復(小) EN回復(大) Iフィールド射撃のビーム攻撃によるダメージを1000軽減。発動時、ENを10消費。 HP回復(小)自軍フェイズ開始時に最大HP値の10%が回復します。 『月光蝶(MAP兵器)』の範囲(方向指定型・敵味方識別不可) □□□□□□□□□ □□■■□■■■□ □□■■■■■■□ □□□■■■■■□ □→■■■■■□□ □□□■■■■■□ □□■■■■■■□ □□■■□■■■□ □□□□□□□□□ スモー(ゴールドタイプ) 機体能力値・改造内容 初期値 10段階 15段階 HP 5400 7900 ???? EN 160 260 ???? 装甲値 1400 2000 ???? 運動性 115 165 ???? 照準値 145 205 ???? カスタムボーナス 『IFバンカー』の攻撃力+400、射程+1、CRT+20 武器性能 武器名 分類 種別 属性 攻撃力 射程 命中 CRT 弾数 消費EN 必要気力 空陸海宇 備考 ハンド・ビーム・ガン 射撃 -PB 2900→4800→???? 1~5 +20 ±0 10 - - AACA ヒート・ファン 格闘 -P- 3200→5100→???? 1~2 +25 +5 - 5 - AABA IFバンカー 格闘 -P- 4500→6400→????4900→6800→???? 1~41~5 +25 +20+40 - 30 110 AABA バリア貫通 機体性能 移動力 7 移動タイプ 空陸-- 地形適応 空陸海宇A A B A サイズ M パーツスロット数 3 特殊能力 剣 Iフィールド EN回復(小) Iフィールド射撃のビーム攻撃によるダメージを1000軽減。発動時、ENを10消費。 EN回復(小)自軍フェイズ開始時に最大EN値の10%が回復します。
https://w.atwiki.jp/anders/pages/24.html
B z - - - 地獄先生ぬ~べ~ / B z / ミエナイチカラ http //www.youtube.com/watch?v=EQDF9Wyfzac feature=related 結界師 / 稻葉浩志 / 赤い糸 http //www.youtube.com/watch?v=-eXBkexqQ-Y 結界師 / 宇浦冴香 / Sha la la -アヤカシNIGHT 2007年にB zの稲葉浩志が楽曲プロデュース 2011年にCherieと名前を変え新しくスタート http //www.youtube.com/watch?v=rc-uUq5S1To 時空冒険記ゼントリックス / B z / CHANGE THE FUTURE http //www.youtube.com/watch?v=_j9wvMcXszw ブラックジャック 2時間スペシャル / B z / ROOTS http //www.youtube.com/watch?v=IEoy2cBezlU 劇場版 北斗の拳 (ラオウ伝 激闘の章) / B z / ロンリースターズ http //www.youtube.com/watch?v=p8FsCJZ3_gc feature=related 名探偵コナン関連 ギリギリchop ONE Everlasting 衝動 ゆるぎないものひとつ Don t Wanna Lie ピルグリム ちなみに銀魂では以前よりB zネタが(太陽のkomachi / Bad Communication) お妙さんはB zが好きという設定らしい なんとなく倉庫 守護月天 / SURFACE / さぁ http //www.youtube.com/watch?v=KLa8bqjHU6o feature=related すごいよ!!マサルさん / PENICILLIN / ロマンス http //www.youtube.com/watch?v=WIGnsURJJfA feature=related L Arc~en~Ciel D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 / Blurry Eyes るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- / the Fourth Avenue Café 劇場版 るろうに剣心 〜維新志士への鎮魂歌〜 / 虹 GTO / Driver s High 鋼の錬金術師 / READY STEADY GO 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 / Link 精霊の守り人 / SHINE 機動戦士ガンダム00 / DAYBREAK S BELL 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 / GOOD LUCK MY WAY 名前 コメント すべてのコメントを見る ■ 上へ移動 . . . . . 今日 - 昨日 -
https://w.atwiki.jp/comic8/pages/1321.html
Zマジンガーをお気に入りに追加 情報1課 <Zマジンガー> #bf 外部リンク課 <Zマジンガー> ウィキペディア(Wikipedia) - Zマジンガー Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <Zマジンガー> 使い方 サイト名 URL 情報2課 <Zマジンガー> #blogsearch2 成分解析課 <Zマジンガー> Zマジンガーの59%は華麗さで出来ています。Zマジンガーの20%は罠で出来ています。Zマジンガーの11%は愛で出来ています。Zマジンガーの4%は嘘で出来ています。Zマジンガーの3%は白インクで出来ています。Zマジンガーの2%は覚悟で出来ています。Zマジンガーの1%は世の無常さで出来ています。 報道課 <Zマジンガー> 【スパロボ30】攻略おすすめ機体と加入時期まとめ【スーパーロボット大戦30】 - AppMedia(アップメディア) 吉岡里帆×中村倫也『ハケンアニメ!』“劇中アニメ”のクリエイター陣が明らかに(cinemacafe.net) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シティ・ポップな名盤「MUTEKING」サントラインタビュー - アキバ総研 GUNDAM FACTORY YOKOHAMA、冬季特別演出「GFY Winter Illumination 2021」を11月27日より開始(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース タイムカプセルの中身は? 47年前に埋めた「夢と希望」〈宮城・丸森町〉(仙台放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「EUREKA/エウレカセブン」愛され続けるシリーズの魅力とは? プロデューサーコメントが到着(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 漆黒に輝くメタルボディとともに復活!!「超合金魂GX-75SP マジンカイザー 20th Anniversary Ver.」発売決定! - 電撃ホビーウェブ “第2章 Part4”で『ベターマン』参戦! アーバレスト&R-1には新必殺技が!!【スパロボDDコラム#54】 - 電撃オンライン おっぱいミサイルが胸からボイ~ン! 『マジンガーZ』に登場したすごい兵器の謎を考える!(柳田理科雄) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 台座から「マジンカイザーのテーマ」が流れる! アニメ化20周年を記念した「マジンカイザー」のフィギュアが登場!(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 小林亜星さんの公認アニソンリサイタル 名曲を子門真人、ささきいさお、ヒデ夕樹らのものまねで披露(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ライヴレポート】『DIAMOND FES 2021 AUTUMN ANIME SONGS』2021年11月9日 at KT Zepp Yokohama(OKMusic) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース METAL BUILD、S.H.Figuartsなど「TAMASHII NATION ONLINE 2021」開催記念商品が「プレミアムバンダイ」にて抽選販売(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース フランス人が愛して止まない日本アニメ「UFOロボ グレンダイザー」の半世紀(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「プレミアムバンダイ」にて「TAMASHII NATIONS TOKYO 限定品 オンライン特別販売」が11月19日に開催(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <映画トロピカル~ジュ!プリキュア>「ハトプリ」コラボの裏側 絶妙なバランス 志水淳児監督に聞く(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『スパロボ』シリーズ累計出荷本数が1900万本を突破。リリースタイトルは90作以上、歴代で274の作品が参戦した記録的なシリーズに(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 新たなミッションや機体が追加される『スーパーロボット大戦30』の無料アプデが11月17日に配信、『サクラ大戦』シリーズなどが参戦するDLCも11月19日に配信予定(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 鬼滅とマジンガーが同時掲載?「幻の少年ジャンプ黄金期」をよゐこが勝手に選出 互いに譲れなかった作品とは?(ふたまん+) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 本作が初出の「コードギアス」の新機体も!『スーパーロボット大戦30』の参戦機体やシステムなどを最終チェック!?(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 圧倒的な物量『庵野秀明展』に思う。文化とは「90%のカス」のほうが本体である(アニメ評論家・藤津亮太)(QJWeb クイック・ジャパン ウェブ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ジャンプ」若い人は知らない、アニメ鎖国時代 「開国」へ導いたヒット作とは?(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 永井豪氏のアニメ『UFOロボ グレンダイザー』のゲーム化が発表。フランスの開発スタジオが手がけ、2023年に発売予定(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「アニソン界の帝王」水木一郎の熱すぎる伝説5つ アニキキャラを作った意外な人物とは?(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース フランスで記念切手になった日本アニメはなぜマジンガーZではなく「UFOロボ グレンダイザー」なのか|話題の焦点 - 日刊ゲンダイDIGITAL 「水木一郎」さんがアニソンを歌った作品ランキングNo.1が決定! 2位は「バビル2世」(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース フランスの日本アニメブーム元祖、永井豪さん原作「グレンダイザー」 パリでの回顧展に40年来のファン殺到 - 東京新聞 庵野秀明展のレアな映像にも興奮!『シン・仮面ライダー』から「ヱヴァンゲリヲン」までを総ざらい(MOVIE WALKER PRESS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【アニソン】「水木一郎」さんがアニメソングを歌った作品で一番好きなのはなに?【人気投票実施中】(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 宇宙規模に巨大なグレンラガンとゲッターエンペラー。戦ったら勝つのはどっち?(柳田理科雄) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『海街チャチャチャ』大御所女優の代表作は日本アニメ マジンガーZ - DANMEE ダンミ - ダンミ 『ゲッターロボ アーク』から「ゲッターアーク」がBANDAI SPIRITSのHGシリーズでプラモデル化!必殺「サンダーボンバー」もド派手に再現!! - 電撃ホビーウェブ 新たな機体や戦艦などの新情報を発信する『スーパーロボット大戦』の番組が9月22日21 00より配信。『スパロボ30』の第2弾PVもお披露目(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 人気ロボット夢の共演 「スパロボ」30年の軌跡 - 日本経済新聞 本日(8月19日)で96歳!アニメ特撮音楽の巨匠・渡辺宙明の誕生日特番をDOMMUNEで90分生放送! マジンガーZ、ゼンカイジャー、ネズラ、お蔵出し音源も紹介! - Dream News マジンガーZ:超合金魂マジンガーZ メッキ塗装のスペシャルカラーに - MANTANWEB(まんたんウェブ) 『コンバトラーV』『マジンガーZ』に『ナイツ&マジック』も急浮上?『スパロボ30』注目の「参戦作品」ランキング【4位から10位】 - ふたまん+ 『スーパーロボット大戦30』新情報! 『逆シャア』時代のアムロが意外な攻撃を…(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【超合金魂】70~90年代ロボットアニメ作品の超合金魂ランキングTOP30! 第1位はマジンガーZに決定!【2021年最新結果】(1/5) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ いよいよ終映『エヴァンゲリオン』。25年間ナゾに思っていた「爆炎はなぜ十字架型?」を考える。(柳田理科雄) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース マジンガーZ、デビルマン…永井豪原作の70年代アニメ4作にフォーカスしたムック - コミックナタリー 永井豪が描き出した数多の魅力的な作品をモチーフとした『DYNAMIC PLANNING COOL MASK COLLECTION』を7月3日より発売! - PR TIMES 「マジンガー」シリーズの劇場版を4Kリマスター上映する「とーあに!これくしょん」7月30日から再開 - アニメハック 超合金魂:TNTに100体集結 マジンガーZ、エヴァ… 24年の歴史一望 2.4メートルの巨大ガイキングも - MANTANWEB(まんたんウェブ) 『スーパーロボット大戦30』Nintendo Switch向けに発表。「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」「機動戦士Ζガンダム」などのロボットが参戦 - AUTOMATON 【月間表彰】マジンガーZも参戦!ツエーゲン金沢が挑戦的な企画を続ける理由(footballista) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース パイルダーオンも再現可能!巨大ロボット「マジンガーZ」がナノブロックの「キャラナノ」シリーズに登場!Amazonで予約受付中!! - 電撃ホビーウェブ (魂の中小企業)「マジンガーZ」が出入りできる扉 - 朝日新聞デジタル 『スーパーロボット大戦』30周年!ガンダム、マジンガーZ、ゲッターロボ……人気ロボットの集結は、いまなおファンの心を燃やす!【今日は何の日?】 - ファミ通.com 「少年ジャンプ」作品のコスプレ特集! 『ジョジョの奇妙な冒険(第一部)』『マジンガーZ』『キャッツ・アイ』のキャラクターをピックアップ - アニメイトタイムズ 永井豪とサッカークラブ・ツエーゲン金沢がコラボ、マジンガーZのショーやグッズ販売 - コミックナタリー 鮮やかなカラーリングで再び降臨!究極真神シリーズ「マジンガーZ」ソフビフィギュアがリニューアル登場! - 電撃ホビーウェブ 4Kデジタルリマスター特別上映『とーあに!これくしょん』4/23から「劇場版マジンガーシリーズ大特集」開催決定! 声優・本多真梨子さん・荒浪和沙さんのトークイベントも開催 - アニメイトタイムズ 週刊『鉄の城 マジンガーZ 巨大メタル・ギミックモデルをつくる』創刊を記念して、開発の裏話、秘話をデザイナー自らが語り尽くす徹底解説動画を公開! - PR TIMES 半身が透明で内部構造が見られるプライズフィギュア「INTERNAL STRUCTURE」に「マジンガーZ」が堂々参上!! - 電撃ホビーウェブ 昭和48年店頭ディスプレイ用に作られたジャンボマジンガーZがソフビフィギュア化!全高約90センチで永井豪氏撮り下ろし写真サインシートが特別付属! - 電撃ホビーウェブ Amazonプライムビデオに『マジンガーZ』『ゲッターロボ』などロボットアニメ多数追加 - PHILE WEB - PHILE WEB 「マジンガーZ」「ゲッターロボ」ラベルのシングルモルト・ウイスキーは3月22日(月)昼12時に発売開始!! - PR TIMES 圧倒的表現力を誇る『魔神英雄伝ワタル』DRAGON SCALE 龍神丸が公開!【METAL BUILD 10TH ANNIVERSARY 特集展示」速報レポート】魔神英雄伝ワタル/マジンガーZ/フルメタ編 - 電撃ホビーウェブ 前田建設ファンタジー営業部:「マジンガーZの格納庫」にブルーオーシャンを求めて - Nippon.com 「マジンガーZ」、それとも「デビルマン」? 人気No.1を決めよう! 最も好きな永井豪原作のアニメ作品はどれ? 【人気投票実施中】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 身長75cmの巨大メタル「マジンガーZ」目からLEDのビーム、ルストハリケーンは霧を噴射 週刊『鉄の城 マジンガーZをつくる』 - ロボスタ 『スーパーロボット大戦』シリーズ生誕30周年を記念してHGシリーズでプラモデルとなった「魔装機神サイバスター」をレビュー!【電撃スパロボNo.176】 - 電撃ホビーウェブ 『マジンガーZ/INFINITY』新国連統合軍の主力量産機「イチナナ式」が1/144スケールのレジンキットになって登場! - 電撃ホビーウェブ 存在感はガンダム以上!? バルセロナ郊外に建つ巨大マジンガーZ像の謎 (2020年12月19日) - エキサイトニュース 自分のイマジネーションを楽しめる!それがINFINISMの世界!!「HG 1/144 ゲッタードラゴン(INFINITISM)」を製作 - 電撃ホビーウェブ 「マジンガーZ」永井豪と石川賢による最後のゲッターロボが2021年夏にアニメ化決定! - アニメ!アニメ!Anime Anime ディフォルメソフビロボ「V.S.O.F. マジンガーZ」発売 - アキバ総研 あの日の「テレビマガジン」を再現! 究極の“復刻本”『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』がついに完成!4月9日発売! - PR TIMES マジンガーZ:INFINITY版のマジンガーZのプラモデル ディテール追求 カメラアイが発光 - MANTANWEB(まんたんウェブ) バンダイ、劇場版デザイン「1/60 マジンガーZ」の発売日決定 - 価格.com 1/60スケールならではのディテール再現! プラモデル「マジンガーZ INFINITY Ver.」が3月7日発売 - GAME Watch 「HG マジンガーZ ブラックVer.(マジンガーZ INFINITY Ver.)」が再び登場!黒のグロスインジェクション成形とメタリック成形で重厚感ある仕上がりに! - 電撃ホビーウェブ 本日は『マジンガーZ』アニメ47周年記念日!『マジンガーZ / INFINITY』漆黒のマジンガーZやマジンカイザーなど、フィギュア&プラモデル情報を振り返り!! - 電撃ホビーウェブ 1/60の衝撃!!『INFINITY』版のマジンガーZが特大サイズでBANDAI SPIRITSからプラモデル化! - 電撃ホビーウェブ 「マジンガーZ」の格納庫を作るとしたら? 「前田建設ファンタジー営業部」20年1月公開 - エイガドットコム 漆黒のボディを成形色で再現!プラモデル「HG マジンガーZ ブラックVer.(マジンガーZ INFINITY Ver.)」が登場! - 電撃ホビーウェブ 超合金ニューZ 製のグレートマジンガーだから超合金で発売されるのは当然なのだ - &GP 「TENGAロボ」と国民的ロボットアニメがまさかのコラボ!? 完全変形「ゲッターTENGAロボ」&「マジンガーTENGAロボ」が2020年2月に発売 - アニメイトタイムズ あのゲッターロボ&マジンガーZがTENGA型の変形トイに!「マジンガーZ」には巨大ロケットパンチがセットになった初回限定版もラインナップ!! - 電撃ホビーウェブ 『スパロボOG』『マジンガーZ』『グラヴィオンZwei』などロボットフィギュアが多数登場!『ハガレン』マスタングのフィギュアも注目!【C3AFA TOKYO 2019速報レポート】千値練 - 電撃ホビーウェブ 『劇場版マジンガーZ/INFINITY』より、最新デザインのグレートマジンガーがバンダイのプラモデルとなって降臨! - 電撃ホビーウェブ 『劇場版マジンガーZ/INFINITY』より、バンダイのプラモデルとなって究極の魔神出現!その性能を出撃前に最終チェック!! - 電撃ホビーウェブ 『劇場版マジンガーZ/INFINITY』よりプラモデル「マジンガーZ」と「グレートマジンガー」が登場!メカデザイナー柳瀬敬之氏が完全監修! - 電撃ホビーウェブ 全高約1mの「マジンガーZ」 「パイルダー・オン」も再現、マジンガーブレードも装備できる - J-CASTニュース 「マジンガーZ」が全高1mの「究極造形シリーズ」に登場!! - アキバ総研 これぞ「くろがねの城」・全高1mのマジンガーZフィギュアが登場 - おたくま経済新聞 パイルダーオン!「マジンガーZ」全長約1mのマジンガーフィギュア - コミックナタリー 「マジンガーZ」全高1メートルで立体化 バンダイ - - ITmedia 劇場版公開記念!主人公機『マジンガーZ』が全長約1メートルのビッグサイズで立体化!豊富なオプションパーツも付属! - 電撃ホビーウェブ 声優・上坂すみれ、『マジンガーZ』を語る! 〜機械獣の造形美からリサの別世界線まで〜 - アニメイトタイムズ 巨大ロボット「マジンガーZ」を全高1mで立体化 操縦用の飛行メカも緻密再現/頭部にドッキング可能 - @Press 強いんだ! 大きいんだ! マジンガーZのフィギュアが全高約1メートルのジャンボサイズで登場 - - ねとらぼ 『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』金丸裕プロデューサー×『スーパーロボット大戦』寺田貴信プロデューサー対談・前編――アニメとゲーム、それぞれの立場からロボットアニメを語る! - アニメイトタイムズ 「マジンガーZ」への愛情の深さを監督が語る!ーー『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』志水淳児監督インタビュー - アニメイトタイムズ 本日『マジンガーZ』アニメ45周年!超合金魂グレートマジンガーや漆塗ソフビなど、フィギュア情報をチェッーク!! - 電撃ホビーウェブ “魔神”の全貌をとらえた「劇場版 マジンガーZ INFINITY」ポスター完成! - エイガドットコム 『劇場版マジンガーZ』プロジェクトが始動!鉄の巨人が45年ぶりのスクリーンに超復活!! - 電撃ホビーウェブ 『Zマジンガー』『ゲッターロボ』のダイナマイトアクションシリーズなどをエヴォリューション・トイにて限定販売!! 【ワンフェス2016[夏]事前情報】 - 電撃ホビーウェブ DISC 2は全曲Z!水木一郎がマジンガー生誕40周年盤 - ナタリー 情報3課 <Zマジンガー> #technorati マンガとは マンガの33%は厳しさで出来ています。マンガの30%はカルシウムで出来ています。マンガの25%は元気玉で出来ています。マンガの9%は毒物で出来ています。マンガの1%は月の光で出来ています。マンガの1%は毒電波で出来ています。マンガの1%は魂の炎で出来ています。 28589.jpg?_ex=300x300 s=2 r=1 ヨスガノソラ 春日野 穹 -すくみず 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 ページ先頭へ Zマジンガー このサイトについて 当サイトは漫画のタイトル毎にインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ページをブックマークしておけば、ほぼ毎日その漫画のタイトルに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/orirowaz/pages/439.html
中部地方に発生した未曽有の大地震から丸1日が経過しようとしていた。 生物災害に端を発した山折村というひとつの小さな村をめぐる騒動は、いつの間にか世界を揺るがす事態へと発展していた。 この物語の『A(始まり)』はいつからだろう? 山折村に生物災害が発生した瞬間からか。 地球から16光年離れた超新星が爆発した瞬間か。 日本軍が『マルタ実験』により召喚(よ)んではならないものを召喚んだ瞬間か。 二柱のイヌヤマイノリが災厄として村に刻まれた瞬間か。 それとも、この隠された地を盗賊の長が占拠した瞬間からか。 あるいは、それよりももっと前。 人が人として生れ落ちた瞬間からか。 だが、始まったものはいつか必ず終わる。 それが世の理である。 永遠などこの世のどこにも存在しない。 そんなものは夢想の中にあるだけだ。 全ては『Z(終わり)』に向かって収束する。 泥の中を足掻くたび人の手は汚れ。 小さな手は藻掻くたびに何かを取りこぼす。 だが、それでも。 よりよい未来に向けて足掻き続ける事は、決して間違いではない。 人間の生は短く、短い人生の中でよりよき終わりに向かって足掻き続けるしかない。 薄汚れた人の手は、何を成すのか。 足掻き続けた人の手は、何を救うのか。 世界を救うなんて大それたことは出来ずとも。 どうか、せめて。 これまでの頑張りに見合うだけの。 素晴らしき終わりを。 ■ 診療所の裏手に広がる草原は漆黒の闇に包まれていた。 開発の進んだ住宅街とは異なり、草原の周囲に街灯の光は一切存在しない。 安全のため大通り周辺に配置された街灯の光と、遠くの住宅街や診療所から漏れ出す明かりだけがこの周辺を照らす頼りだった。 だが、もはや住宅街に光はない。 地震により都市は機能を停止し、VHにより正常な生活を送る者などいなくなった。 世界は完全なる闇に包まれ、一歩進むことすら躊躇われるほどの暗闇が周囲に広がっていた。 しかし、地上の光が消えれば、天の光は一層輝きを増す。 見上げた夜空には無数の星が散りばめられ、まるで宝石箱をひっくり返したかのようである。 美しい星々と月の明かりだけが大地を照らし、露に濡れる草原を銀色に輝かせていた。 その光は新たなる生命の誕生を祝福しているようだった。 そんな星々に彩られた暗闇の中を一人の少女が歩いていた。 上機嫌に跳ねるような足取りで少女が大地を踏みしめる。 そのたびに、草が微かに揺れて音を立てる。 静寂に包まれた世界で響く音はそれだけであり、周囲からは動物の声一つしなかった。 まるで死んだように沈黙する村。生命の気配がこの村からは消え去っていた。 だが、彼女にとっては違う。 自らの髪をそっと撫でる冷たい風を、少女は愛でるような視線で見つめた。 空気中に漂う目に見えぬ微生物こそ彼女の同胞。 彼女こそが山折村に蔓延するウイルスの女王。 一連の騒動の全ての中心であり、全ての感染者が探し求め、全ての研究者が追い求めた存在である。 満天の星空の下、新たに生を受けた女王は草原を歩んでいた。 『空中浮遊』の術式を厄によって剥奪されたため徒歩で移動せねばならぬのが面倒だ。 細菌だった頃は風に乗ってどこまでも行けたものだが、不便なものである。 この面倒は忌々しき白兎どもによるものだ。 奴らの奸計により飛行能力だけでなく、女王の中にあった『願望機』と厄を操る『魔王の娘』の力が失われてしまった。 彼女の中に残された力は『魔王』と『女王』としての力のみである。 だが、何の問題もない。 『女王』の力は進化を重ね、第二段階へと至り『魂』を得た。 細菌は知能と魂を得て、一つの生命体として確立されたのだ。 この力一つでも、世界を革命するには十分である。 女王の目的は同族たる[HEウイルス]の繁栄。 次代に命を繋ぎ、種を繁栄させて生命圏を拡大する。 命を得た女王を突き動かすのはそんな生命として当然の本能だ。 故にこそ、女王としても世界が滅ぶのは困る。 人間がどうなろうと知ったことではないが、同胞たる細菌のために世界の滅びは回避せねばならない。 始めは研究所のやり方に乗ってやるもの悪くないと考えていた。 全人類に細菌を感染させる研究所のやり方は、[HEウイルス]の繁栄を望む女王の目的と合致していたからだ。 だが、考えが変わった。 研究所と女王の思惑は根本のところで違う。 研究所はあくまで人類を未来に発展させるために計画を実行している。 当然だが、[HEウイルス]はそのために開発した道具としてしか見ていない。 逆もまた然りである。 女王の目的は[HEウイルス]の発展であり、人類の存続ではない。 人類はあくまで細菌を感染させる乗り物として必要なだけであり、彼らの意志など必要としていない。 要するに、主導権がどちらにあるかと言う話だ。 やれやれと女王は首を振る。 「やはり、人間はダメだな」 それはこの山折村を見れば明らかだ。 幾度ループを繰り返しても同じ、同族で恨みあい、呪いあい、殺しあう。 血塗られた村の歴史が証明している。 人間は誰も彼もが愚かしい。 細菌の間ではそのような醜い争いは起きない。 女王の下に意志は一つに統合され、完璧なる秩序が保たれる。 星の主導権は細菌が握るべきだ。 そのための女王の『Z計画』。 今の女王の力であれば研究所の思惑に乗るまでもなく、より完璧な計画を実行できる。 その手始めとして、『願望機』によって厄となった者たちを新たな『巣くうもの』として村の外へと解き放った。 対象となったのは研究所への、終里元への反意の証を示すため、59人の終里元の子供達。 彼らは新たな女王として[HEウイルス]をバラまき新たな山折村を築くだろう。 「仲良くやろうじゃないか兄弟たち」 [HEウイルス]も終里より生み出された終里の子と言えよう。 願望機が女王の手から失われようとも[HEウイルス]同士のつながりは生きている。 全ての女王に対する絶対命令権は末の娘たるこの始まりの女王の手にあり続ける。 新たな世界の支配者として女王を統べる女帝として立つ事になるだろう。 計画は35分前に実行済みだ。 終里の子を起点として、既にウイルスの拡散は始まっている。 新たな女王の周囲にいる人間は[HEウイルス]に感染しているだろう。 後はウイルスの発症を待つばかりだ。 日が変わるころには、世界は変わる。 発症してしまえば人間は細菌の支配に落ちるのだ。 今こうして女王に操られる日野珠のように。 第二段階として覚醒した女王の力ならそれができる。 今や支配下の細菌たちの発症率や覚醒段階すら自由自在だ。 与えられた正常感染率はたったの1%。この山折村以上の阿鼻叫喚が目に見えるようだ。 胸のすく思いだ。 細菌を自分の都合で生み出し、改造し、利用する。 そんな安全圏で支配者を気取る愚者たちは思い知るだろう。 この星の新たな支配者は誰なのか。 今夜を契機に世界が変わる。 全ての生命は細菌を運ぶ乗り物となるだろう。 人は細菌に支配され、人は種を存続できる。共存関係という奴だ。 ガンマ線バーストにより死滅しようとも[HEウイルス]に感染している限りその魂は女王の管理下に置かれる。 どのような形であれ人類は新たな形をもって存続できるだろう、女王の創る理想郷――『Zの世界』で。 そこには永遠がある。 子供じみた理想を夢見る少女のように。 躍るように、謡うように、生まれたばかりの女王は草原を行く。 ■ 山折村より南西に僅かに離れた山奥に、作戦司令部は設置されていた。 周囲に存在を知らせぬよう最低限のライトで照らされた深夜の山中は、慌ただしい空気に満ちていた。 簡易テント内には無数のモニターが並び、多くのオペレーターがそれぞれの端末で状況確認を行っている。 迷彩色の防護服に身を包んだ隊員たちがせわしなく動き回る中、臨時司令である真田副長が現場の指揮を執っていた。 「状況の確認急いでください。有事の場合に備えて防護服と人材の手配を。 他の部隊に協力を仰ぐことになっても構いません、最悪の事態に備えて動いてください」 真田は周囲の隊員に指示を出し、事実確認を急がせた。 指示を受けた隊員たちは迅速に動き出し、無線機で外部に問い合わせを続けた。 伝令役の隊員が監視モニターの状態を報告するために、足早にテント内を駆け抜ける。 対山折村生物災害臨時司令部の設置からもうじき1日が立とうとしていた。 司令部の設置直後は設備設置や状況把握で慌ただしかったが、監視網が安定してからはそれなりに落ち着いた部隊運用がなされていた。 その臨時司令部が突如として蜂の巣をつついたような大騒ぎになったのは、上空を飛ぶ女王の発言に端を発している。 監視ドローンには地上の音声を集音できるほどの性能はないが、宙を舞う日野珠の姿をした女王は上空のドローンに直接発言を記録させたのだ。 彼女の口から語られた衝撃的な告白――未来人類発展研究所所長の子を媒介とした村外への感染拡大。 これはテロ予告どころの話ではない、明確な挑発と宣戦布告だった。 「研究所の所属リストから終里所長の子息をピックアップしました。 八王子本部に19名、静岡支部に11名、青森支部に3名、富山支部に1名、外部の関連施設・研究所に12名。計46名。 残りの13名に関しては研究所の関連施設所属ではないようです。引き続き調査を続けております」 「了解しました。46名の現在位置と残り13名の把握を急いでください」 まずは発言の裏取りと状況確認が先決だった。 この場にはテロリストの発言を鵜呑みにする人間は一人もいないが、それを虚言だと切り捨てるバカも一人もいない。 真実である可能性と、混乱をもたらすための虚言である可能性の両方を考慮して動く必要がある。 事実であった場合、今日が世界崩壊の前夜となるのだから。 「女王の発言の裏取りを続けながら、村内で活動中のforget-me-notの支援を続けます。 引き続きドローンで村内の監視を、3台は女王の監視につけてください」 「了解!」 頭の指示に従い、迷いなく手足たる隊員たちが動く。 無線機からは隊員同士の連絡が飛び交い、モニターには村内の状況が映し出される。 人員は慌ただしく入り乱れているが、指揮系統は乱れることなく現場の統率は取れていた。 それは臨時司令を任された真田の手腕もあるだろうが、それ以前にこれは彼らにとっての日常に過ぎない。 世界の滅びを前にしても、彼らのなすべきことに変わりはない。 なぜなら、大小はあれど世界の滅びに即することなどSSOGの通常業務だからだ。 誰一人絶望せず、さりとて楽観的でもなく、それぞれが正しい意味での適当な仕事をこなすだけだ。 世界の片隅、誰も知らぬ山奥の一角で、彼らは全力を尽くしている。 世界を救うという意思を持ったひとつの生き物のように。 ■ 東京、八王子。未来人類発展研究所本部。 その応接室は研究所と秘密特殊部隊の首脳陣の集う重要拠点となっている。 そんな重要拠点もまた女王から受けた宣戦布告によって混乱に包まれていた。 「長谷川くぅん! 是非トもキミの体を調べさせてほしいナァ!!」 「セクハラです。博士」 と言うより老人が一人暴走していた。 老研究者は指をワキワキと動かしながらうら若き女研究者に迫り、女研究員は資料の束を盾に老研究者を押しのけていた。 下卑た笑いを見せるが、それは性欲ではなく純粋な知識欲から来たものである。 女王の掲げる、世界中にウイルスをばら撒き新たな山折村を築く計画。 その中継地点として新たな女王として選ばれたのは終里の子。 つまり、この応接室にいる女研究員――――長谷川真琴もその一人だ。 「それで? 実際の所どんな感覚だ? 真琴。何か変化はあるのか?」 問いを投げたのは上座に座る恰幅のいい男だった。 不敵な笑みを浮かべるこの男こそが所長たる終里元である。 終里の投げかけた問いに、その血を引く娘が返答する。 「今の所は何かにとりつかれたような感覚はりませんね。自覚できる範囲では、ですが。 ただ、自覚できる変化も一つあります」 「なんだ?」 「異能が使えなくなりました」 「ほぅ」 言って、長谷川が指をさして座標を指定するが、その言葉の通り異能が発動することはなかった。 長谷川に限らず、研究所に属する終里の子らの多くは感染力を持たない[HEウイスル]の感染者である。 既に感染している以上、通常であれば新たな感染源にはなりえないはずなのだが。 「お前の感染状況はリセットされたという事だな。感染力のあるウイルスを新たに感染させるために」 「素晴らしぃネェ!! ソコまで感染状況を操れるのカ。流石はZ感染者、イヤ女王と呼ぶべきカナァ?」 研究所の長は感心したように声を漏らし、副所長は手を打って歓喜に震えていた。 相変わらずの様子の研究者たちと異なり、軍服を着た男――奥津一真はただですら厳めしい表情をさらに厳しくしながら問うた。 「つまり、長谷川さんは感染力を持つ[HEウイルス]の感染者となり、既に感染拡大は始まっている、と?」 「そのようだ。まぁ俺が感染することはないだろうが、百之助辺りはポックリ逝ってもおかしくはないかもしれんなぁ?」 「嬉しぃネェ。細菌に殺されて天寿を全うできるナラ夢のようだヨ」 「そのような事を言っている場合ですか!」 冗談めかした笑いあう老人二人を奥津が怒声で窘める。 眼に見える変化はないが、長谷川はホストとして細菌を周囲にまき散らしているのだろう。 「おっと、隊長殿はご愁傷さまだったな」 「そういう事を言っているのでもありません」 奥津は自身の感染に対して怒りを発しているのではない。 この職に就いた時から命など捨てている。 奥津が憤慨しているのは状況が全てを救えという約束を違えようとしていることだ。 山折村の村内で封じ込められていた[HEウイルス]が漏れ出し村外への被害拡大は最悪のケースだ。 「……ご子息たちの所在は?」 「大抵は研究所か関連施設の勤めだな、支部に散り散りではあるのだが。 だが研究職でないモノも何人かはいるな。あとは数名海外に散らばっている」 「何という事だ…………」 絶望的な状況に奥津が眉間の皺を深くさせる。 感染拡大を防ぐ壁に囲まれた山折村の様な都合のいい地形は存在しない。 一度感染が広がれば、その被害はあっという間に世界中に広まるだろう。 しかも、正常感染率の低いウイルスが、だ。 そんなことになれば宇宙線の到達を待つまでもなく、それこそ世界の終わりである。 だが、目の前に見える世界の終わりを前にしても。 研究者たちは慌てることなく、いつも通りの様子を崩さなかった。 奥津も世界崩壊の前夜には慣れているが、彼らの余裕は意味合いが違ってそうだ。 「何か具体的な方策がお有りなので?」 下手な意見であれば叩き潰す。 そう言わんばかりの圧力を込めて奥津が問う。 終里はその圧を気にした風でもなく、変わらぬ調子で足を組み替えながら答える。 「慌てるまでもない。初期発症まではしばしの時間かかる。少なくとも日が変わるまでは猶予があるだろう」 確かに山折村のケースでも地震の発生から住民の発症まではラグがあった。 そのケースを参考にするに、日付が変わるまでは発症の猶予はあるだろう。 と言っても猶予は僅か。 その上、潜伏期であるだけで既に感染拡大始まっている。 日が変わるまでに、すべてを解決せねばならない。 「そのわずかな猶予で解決できると?」 「問題はなかろう。解決するだけなら簡単な話だ」 あっさりと終里が言う。 怪訝そうな奥津の顔がおかしかったのかくくっと笑って、ここにはいない元凶へと語りかける。 自らの業が世界滅ぼそうとしている一番暗い夜明け前。 世界救済を謡う組織の長は楽しそうに口元に笑みを浮かべた。 「想定が甘いぞ我が娘。貴様は本質的な意味で理解できていない――――人の業という物を」 ■ 秘密特殊作戦群(Secret Special Operations Group) 日本の自衛隊に存在する『存在しない部隊』である。 その部隊は表舞台に登場しない影の存在だ。 国家の安全と利益を守るため表には出せない数々の任務を遂行してきた。 隊員は厳しい訓練を経て選び抜かれたエリート中のエリートで構成されており。 高度な戦術、偵察、情報収集、暗号解読、そして白兵戦に至るまで、あらゆる状況に対応できる万能なスキルを持っている。 任務の一例として、テロリストの殲滅、要人救出、諜報活動、サイバー戦争への対応、そして国際的な極秘作戦への参加などが挙げられる。 その任務は多岐にわたるが共通している点がひとつだけある。 彼らの活動は常に極秘裏に行われ、その活躍が人々に知られることは決してないという事だ。 それでもSSOGがこれまで幾度となく日本を未曾有の危機から救ってきたのは確かな事実である。 彼らの存在は日本の安全保障における最後の砦であり、その影の努力があってこそ今日の平和が守られているのである。 誰も知られることない影の部隊。 名誉や賞賛ではなく、世界を救い続ける事こそが彼らの報酬。 どんなに困難な任務であろうとも、SSOGはその使命を果たし祖国の平和と繁栄を守り続ける。 そして、この小さな田舎町、山折村でもまたSSOGは世界の危機に立ち向かう事になっていた。 女王による宣戦布告。[HEウイルス]の感染拡大。 事態は国家存亡を超えた世界存亡に関わる未曽有の危機にまで発展していた。 これに立ち向かうは山折村に放たれた実行部隊における残された最後の兵士、乃木平天。 口こそ挟まなかったが、彼もこの状況を司令部と繋がったままの通信から聞き及んでいた。 目の前に迫る世界崩壊の危機。 己がその行く先を左右する天秤の上にいる。 1日前の天であれば間違いなく取り乱していただろう。 だが、今の天は不思議と恐怖も重圧も感じなかった。 何故なら、明日世界が滅ぼうとも、天の成すことは変わらないのだから。 ならば取り乱したところで何が変わる訳でもない。 感覚が麻痺していしまったのか、それともただの開き直りなのか。 天の精神はそういう境地に達していた。 別の問題があるのなら、それは隊長や司令部で動いている副長たちが対処するだろう。 それこそが単独ではない部隊の強み。 視野狭窄による思考放棄とは違う、高い視座より俯瞰した思考の先鋭化だ。 己のなすべきことは与えられた任務をこなすだけである。 聞き及んで話によれば女王を殺したところで感染拡大は止まらないという話だが。 それでも天のやることは変わらない。女王の暗殺。成すべきことを成すだけだ。 天は今、個人が運用できる最強の兵器を手にしている。 それは人の生み出した破壊の極致。ビル一棟を一撃で破壊する超兵器ロケットランチャー。 一発限りの限定品だが、直撃すればどのような怪物であろうとも一撃で撃破できるだろう。 災厄に魔王に女王。人外魔境と化したこの地においては十分な備えであるのだが。 ロケットランチャーは一人を殺すにはあまりも過剰火力である。人型の女王に打ち込めば恐らく肉片も残るまい。 女王の死体回収は正式な任務ではないとはいえ、今後の研究所との関係性を考えれば達成するに越したことはない努力目標である。 使いどころは慎重に考えねばならない。 いざとなれば、女王の守護者に墜ちた大田原に放つ覚悟であったが、幸か不幸かその覚悟は必要なくなった。 ドローンの映像により大田原の死亡が確認された。 天も眼前に表示される監視網からその瞬間を目撃している。 日本国最強の守護者があのような形で失われたのは悲劇だが。 天がその役割を受け継ぎ、この国を守護する。 その覚悟が今の天には備わっていた。 ひとまず、女王斬首に関しては継続。 問題はもう一つの任務だ。 「司令部。お忙しいところ恐縮ですが。進言よろしいでしょうか?」 『問題ありません。どのような要件でしょう?』 天が司令部へと呼び掛けた。 その裏では隊員たちの慌ただしい様子が途切れることなく聞こえてくる。 その忙しさを億尾にも出さず真田は天へと対応した。 「女王斬首任務は引き続き継続中です。 ですがもう一方の作戦に関しては、作戦目標の死亡が確認されたためプランの修正が必要であると愚考します。 作戦を具申させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」 『伺います』 天を舞うドローンの監視網により、村の重鎮である山折家、神楽家の嫡子たちの死亡が確認された。 彼らを経由して情報を拡散する天のプランは潰えた。 別の方法を提示する必要がある。 天は司令部に対して次のプランに関しての提案を始めた。 「…………と、言う作戦なのですが、いかがでしょうか?」 『そうですね……隊長の判断を仰ぐ必要はあると思いますが、問題ないかと。 人員を手配しておきます。すぐに動けるようポイントに待機させますので実行のタイミングはお任せします』 「感謝します」 司令部への作戦の申請は通った。 とりあえずこれで情報漏洩の保険は手配できた。 後は女王の斬首に集中するだけである。 ■ ズル……ズル……。 静寂の包む夜の草原に、何かを引きずるような音が響いていた。 重々しく不規則に刻まれるそれは、右半身を引きずりながら闇の中を歩く何者かの足音だった。 右足を引きずりながら、左でバランスを取るようにして前進する。 女の名は虎雄茶子。 彼女が草原を歩くたびに夜の静寂を破られ、草原にははっきりとした跡が残されていった。 右足が引きずられた跡は深く、彼女の体重がかかるたびに草が踏みつぶされる。 その足跡は、まるで彼女の苦悩が草原に刻まれているようだ。 「…………ハァ……ハァ」 右半身が麻痺したように動かない。 右足のみならず、彼女の右手は力なく垂れ下がっていた。 だが、それとは対照的にその左手にはしっかりと剣が握られていた。 それは剣士としての誇りか、それとも何かに縋りたい気持ちの表れなのか。 彼女の背後に広がるのは底の見えない闇だ。 進む先に見えるのも闇。ゆく当てなどない。全てが闇に包まれている。 愛したはずの山折村の中で、彼女は迷子のように彷徨っていた。 山折村は茶子にとっての全てだ。 彼女を救い、彼女を愛し、彼女を癒し、彼女を創り、彼女を壊した。 人間にとって古郷とはそういうモノだが、彼女の場合は度が過ぎていた。 彼女にはここしかない。 だからこそ彼女はどこにも行けない。 彼女の心は誰よりもこの山折村に捕らわれている。 ただ進まねばならぬという強迫観念に似た焦燥だけが体を動かす。 無理に進もうとして、引きずる足がもつれてバランスを崩した。 無様に倒れそうになったが、傍らの木に肩をぶつけて何とか体制を立て直す。 木に体重を預けたまま、茶子は大きく息を吐いた。 「ふぅ……ふぅ……ッ!」 呼吸を荒くしながら茶子は手にしていた刀を鞘から抜いた。 そしてその刃をろくに動かぬ右手を罰するように手首に宛がう。 日本刀でのリストカット。もちろんそれは自殺のためではない。 この不調は雪菜より体内に流し込まれた酸の血液によるものだ。 治療のためには、それを瀉血させる必要がある。 「ふぅ……………ぐっ!」 歯を食いしばり、茶子は自らの手首を切り裂いた。 手首から血がボタボタと地面に零れ、酸の混じった血液が草木を溶かす。 水たまりの様な赤が広がり、血の気が引いて行くとともに、身を溶かすような灼熱が体外へと吐き出されてゆく。 そして、ある程度瀉血が完了したのを見極めて止血を行う。 死に至らない加減は慣れたものだ。最近は落ち着てきたが精神的に不安定だった頃を思い返す。 身を焼く酸が体内を廻る感覚はなくなったが、スタボロになった血管や神経は元には戻るわけではない。 まだ右半身は麻痺したように動かないが少なくとも、これ以上悪化することないはずだ。 この騒動の始まりに銃キチに肩を撃ち抜かれた時を思い返す。 異能に対する無理解と、銃キチに対する侮りと油断があったのが敗因だ。 あの時の傷は異能で強化された包帯で回復できた。 奪われ、与えられ、また奪われる。 この痛みはまるで彼女の人生を象徴しているようだ。 彼女の人生は強者たちに、大人たちに、男たちに、ずっと食い物にされてきた。 奪われ汚され、尊厳を踏みにじられ続けてきた。 だから、もう負けぬよう、もう奪われぬよう力をつけた。 血の滲むような努力を重ね誰にも負けぬ武力を得た。 付き合いたくもない相手にも媚びて根回しをして人脈と言う力も得た。 全ては力だ。様々な力をつけたはずだったのに、この現状はどうだ? 彼女の手には何も残っていない。 何を失ったのか、それさえもわからない。 穢れない無垢で奇麗な聖少女(アリス)。 守護りたかったはずの過去の自分(リン)を失ったことすらもうよく思い出せずにいた。 茶子の生まれは山折村ではなく、岐阜県の都市部にあるごく一般的な中流家庭だった。 少しだけ不器用で厳しい父に、穏やかで優しい母。大事な一人娘として愛情をもってすくすくと育てられた。 そんなどこにでもある幸福な家族の情景が壊れたのは、皮肉にも少女の誕生日の事だった。 6本のロウソクを立てたケーキを囲んでハッピーバースディを歌う幸せな空間は、突然押し入ってきた強盗達によって無茶苦茶に破壊された。 押し入ってきた強盗に勇敢に立ち向かった父は鉈の様な刃物によって一撃で頭部を割られ、我が子をかばった母はナイフで首を一突きされ死亡した。 目の前で母の死体を辱められながら少女は抵抗する事も出来ず、涙を流しながら恐怖と絶望に震えるしかなかった。 そして少女は両親を殺した犯人たちに拉致され『怖い家』へ売り飛ばされた。 それは朝景礼治の取り仕切る少女性愛者に向けた売春組織の前身となる組織であり、少女は『怖い家』で白く純粋で無垢な少女(アリス)として育てられた。 そこで行われた『調教』は想像を絶する過酷な物であった。 繰り返し行われる暴力と凌辱は、人としての尊厳を徹底的に破壊した。 それはそれまでごく当たり前の生活をしていた少女に耐えきれるものではなかった。 故に少女は心が死ぬ前に自ら心を殺した。殺される前に自殺した。生きて生き残るために。 大人たちの感情の機微を見極め、取り入る術を身に着けた。 大人たちに媚びるように望まれる振る舞いをして、従順な子供を演じた。 抵抗しなくなったら暴力が減った。全てを受け入れたら辛くもなくなった。 そうして信頼を勝ち取る事こそが少女の生存戦略。 どうしようもない人間への嫌悪と人心の掌握に長ける今の茶子はこの経験から来ているところが大きいだろう。 そうして2年間の奉仕と凌辱の日々を乗り切った少女は8歳の誕生日に『ご褒美』として、2年ぶりの外出を許された。 2年ぶりの外の世界への脱出。 その機会を得た少女は、調教師の一瞬の隙を突いて逃げ出した。 やせ細った足で一目散に草原を駆け、背中に感じる怒声を振り切り、追っ手たちを巻くべく深い山森へと逃げ込んだ。 胸が張り裂けそうなほど息が切れ、冷たい汗が背中を伝う。 木々の影が不気味に揺れ、彼女の周囲を囲むかのように迫ってくる。 男たちの怒声がいつまでも少女の耳にこびりつき、追手の足音が常に背後に迫ってくる錯覚に囚われる。 足元には鋭い枝や小石が転がり走るたび素足に幾つもの傷が出来る。 それでも止まれば捕まるという恐怖に追われ、何度もつまずきそうになりながらも振り返ることなく走り続けた。 どこへ行けば助かるのか、誰に助けを求めればいいのか分からないまま、野草や昆虫を食べ、泥水で喉を潤す日々が続いた。 しかし、過酷な凌辱生活を受けた少女の体力は低く、たった数日の逃亡生活で衰弱は限界を迎えようとしていた。 朦朧とした意識で気づけば山を越え野に下りていた、もはやこれまでかと意識が途切れた所で、奇跡的に土地の所有者である虎尾夫妻に拾われた。 それが虎尾茶子の始まりである。 虎尾夫妻は少女を新しい家族として温かく迎え入れた。 夫妻のみならず村の人々も傷ついた少女を村の一員として優しく受け入れてくれた。 都会の喧騒から離れた広大な自然はここに居ていいのだと少女を包み込んだ。 少しずつ立ち直った少女は八柳道場で八柳哉太や浅葱碧と共に剣術を学び、多くの友を得る。 心の壊れた少女を癒す黄金の日々。 全てを失った少女の心は、失ったものを取り戻すように山折村に心身ともに満たされて行く。 自らをあの地獄から救ってくれた山折村に少女は計り知れない感謝を抱いていた。 この感謝を返すことこそが、自分の生きる意味だと少女はそう信じてやまなかった。 だが、その想いは他ならぬ彼女の師である藤次郎によって裏切られた。 藤次郎は山折村の禁忌を秘するために、口止めの贄として茶子を木更津組のヤクザ共に捧げたのだ。 ヤクザに拉致された茶子は乱暴を受け慰み物にされ汚された。 嘗ての心的外傷を呼び起こす出来事は、少女が愛と絆で少しずつ修復していた心の器を完全に破壊した。 胸元を隠すように破れたセーラー服を握り絞めながら、赤くなった素足で濡れた草原を歩く。 赤く腫れた瞳に映るのは汚泥の様な黒い光。 雪解雨に打たれながら少女は知る。 彼女が愛した山折村はどうしようもなく穢れていた。 茶子を凌辱するヤクザどもが軽口を滑らせた。 茶子を捕らえていた『怖い家』は山折村の外れにあることを知った。 あの日、逃げ込んだ山を越えてその先にたどり着いたと思っていた山折村(ばしょ)は楽園ではなかった。 よく考えれば当然の事だ、弱り切った子供の足で山越えなどできるはずもない。 辿り着いた楽園は元居た地獄に戻っただけだった。 美しき山折村の姿は幻想でしかなかったのだ。 この村には悪鬼羅刹が栄えており、その腐敗は村の根元に食い込むように蔓延っている。 己を壊し穢し山折村が憎い。 己を救い癒した山折村が愛おしい。 ただ恨むだけならよかった。 ただ愛せたならどれだけよかったか。 山折村への愛憎と執着、相反するその感情は茶子を焦がした。 だから、茶子は決意した。 村に蔓延る悪性、子供を食い物にする悪鬼どもを排除する。 そして何年かかっても理想の山折村を作り上げて見せる。 憎悪を消し去れば、愛だけが残るはずだ。 そんな子供じみた少女の夢。 それが虎尾茶子の人生の目標(すべて)となった。 そのために力が必要だった。 武力だけではなく、情報やコネ。全てを利用する力が。 その力を得るため研究所にも取り入った。 その気持ちは今でも変わらない。 バイオハザードを経ようとも、さらなる深い村の闇を知ろうとも。 継ぎ接ぎだらけの歪な心はもはや別の形には変えることはできない。 「…………哉くん」 縋るように少年の名を呼ぶ。 その先にある救いを求めるように、光を求めて闇の中を進んで行く。 何もかもを失った彼女に残された唯一の心の拠り所。手のひらに残った黄金の日々の一欠けら。 空っぽの心は拠り所を求めている。 男に汚され男に奪われそれでもなお男に縋る弱さ。 後付けの強さを鎧のように、刃のように纏っても。 何もなくなれば一人では立っていられない、弱い女だった。 だが、その進む先に何の確証も、何の心当たりもない。 闇の中、一人ぽつんと残される。 「…………?」 ふと、闇の中に淡い光が浮かび上がっていることに気づいた。 それは自らのポケットから放たれる光だった。 ポケットを探る。 そこから出てきたのは創から受け取った発信機だ。 見れば、何かを指し示しめすように光点が点滅している。 その光点が指し示すのはエージェント、ハヤブサⅢが持っていたという発信機の位置だ。 だが、彼女は既に死亡したと聞いている。 ならば、今この光が指し示しているのは何者なのか。 その答えを知る前に、茶子の足は光に導かれ進んでいた。 まるで誘蛾灯に惹かれる虫のように。 ズルズル。 右足を引きずったまま進む。 自身の状況すら忘れるほどに無心に進む。 「やぁ。虎尾茶子」 闇の奥から声があった。 その道すがら、中学生ほどの小さな少女に出会う。 億劫そうに顔を上げ、暗い目線を送る。 そこにあったのは同じ村で暮らす、よく知っている顔だ。 日野家の次女。日野珠だ。 だが、違う。 一目でわかった、日野珠ではない。 きっと、その中身は別の何かだ。 茶子は嫌悪と憎悪を込めた声でその名を呼ぶ。 「――――――――女王」 ■ 少年、天原創は一人闇の中に立ち尽くす。 吹き抜ける夜の風は温く、汗のにじんだ首筋を通り抜けてゆく。 その足元には凄惨な少女の首なし死体が2つ転がっている。 花のように可憐な少女の顔は溶け落ちた。 露になった頭蓋すら溶解され、無くなった小さな首先からは肉と骨が焼ける不快な臭いを放つ白い煙を上げている。 雪のように凛とした少女は首を落とされ、胴と泣き別れた無残にも生首が地面に転がっている。 首だけになったその顔は狂気に歪んだ表情をしていた。 エージェントである創をしても思わず目をそむけたくなるような絶望が広がる。 誰が悪かったのか。 何が悪かったのか。 明確な答えなどない。 全員が悪く、全員が少しだけボタンを掛け違えた。 ただそれだけの些細なコミュニケーションエラーだった。 本来なら話合いで解決できたはずの、よくある人間同士の不和。 そんな些細なすれ違いが最悪の結果を生んでしまった。 少女たちの亡骸をこのままでは余りにも忍びない。 せめてもの供養にとその場に跪き、首のなくなったリンの体を手を合わせるように整え、雪菜の生首の瞼をそっと閉じさせる。 創にできるのはこれくらいの事しかなかった。 「……………くっ」 悔しさを吐き出すように奥歯をかみしめる。 止められたかもしれない悲劇。 それを前に脳裏に浮かぶのは、少年が全てに絶望した業火に消えゆく赤き原風景。 封じられていた記憶を思い返す。 故郷を焼き尽くした魔王の暴威。 取り戻した記憶の中には少年が『天原創』になる前の家族の記憶も含まれていた。 母が創を生んだのは母が65歳の事だった。 高齢出産などと言う次元ではない、自然出産年齢の世界記録を上回る異常な出産である。 だが、担当した産婆も周囲の人間も、その出産を誰も不自然に思わなかったという。 なにせ還暦を超えた母の外見はどう見ても30代前半、下手をすれば20代に見える若さだったからだ。 母の母、つまりは創の祖母は旧日本軍に協力する研究者の一人だった。 細菌学の権威と呼ばれる高名な研究者の助手をしており、祖母が行っていたのは『細菌による老化の抑制』研究だったらしい。 そこで行われていた『不老不死実験』で研究していた細菌に祖母は実験室で感染していた。 その時点で祖母は母を身ごもっており、未完成ながら不死の菌に感染した母体から生まれたのが創の母だ。 そんな特異な環境で生まれた母は常人の2~3分の1という成長速度でゆっくりと育つ異様な赤子であったらしい。 終戦と『死者蘇生実験』の成功により祖母の関わっていた『マルタ実験』は解体され。 実験の関係者は降臨した神――魔王によってその大半が殺された。 『死者蘇生実験』の関係者で生き残ったのは赤子である母だけだったと聞いている。 そうして生き延びた母は不審に思われぬよう数年ごとに各地を転々とする生活をしていたらしい。 むしろ母は実験の後遺症に苦しむ被害者だったといえよう。 実験に直接携わっていたのは祖母であり、母は当時生まれたばかりの赤子である。 そんな関係者ともいえない母一人を殺すために、魔王アルシェルは『マルタ実験』の証拠隠滅と称して無関係の村ごと焼き払った。 隠れ潜むように暮らしていた母が、たまたまその時生活していただけの村だ。 証拠隠滅とは名ばかりのただの気まぐれの手慰みでしかない悪意の発散。 何故証拠を隠滅する必要があったのか、何故あのタイミングだったのか。全ては魔王の気まぐれでしかなく。 そんな魔王の気まぐれによって創は生かされ、記憶を封じられた。 燃える村。原始の記憶。吹き抜ける蒼い風。 その赤い悪夢から己を救った蒼の奇跡。 尽きるはずだった命は青葉遥によって助けられた。 その奇跡を忘れない。 全てを失った少年は助けられたその喜びを生きる力にして立ち上がった。 誰かを助けるその存在に憧れた。 だから、その後を追うように脇目もふらず直走った。 厳しい訓練を乗り越え、その才能を認められエージェントになった。 全てを救えればいいと思う。 あの赤い日の絶望を打ち払った蒼のようになりたかった。 けれど人間の手は小さく、理想と現実のしがらみはどこまでも付きまとう。 死と絶望。 現実はどうしようもなく目の前に冷たく広がっている。 創はそれをよく知っていた。 だが、それでも。 「…………まだ終わっちゃいない」 地面を掻いて拳を握り締めた。 多くの物を取りこぼしたが、手の中に一握の砂が残っているならば。 立ち止まってなどいられない。 創はこの地で魔王との個人的な因縁を果たした。 だが、エージェントとしての天原創の役割は終わった訳じゃない。 何もかもを忘れて。 封じられていた記憶も思い出さずに、平穏に生きる道もあった。 だけど、その道を選ばなかった。 全ては自分の決断の先にある。 いつだって自分の決断が未来を創ってきた。 創はそう信じている。 立ち上がらねばならない。 この村を自分の故郷と同じにしてはならない。 そんな悲劇をなくすために、己は銃を取ったのではなかったのか。 女王の始末をつける必要がある。 村内に被害が止まる災厄は放置してもいいが、世界に被害を及ぼしかねない細菌被害は放置できない。 これは他でもない、感染者である創が片付けるべき案件だ。 スヴィアから聞いた11人の生き残り。 分断工作をされたあのマイクロバスに乗っていた創を含む7名とスヴィアを除くと、女王は残りの3名の中に居る。 すなわち候補は、山折圭介、神楽春姫、そして日野珠。 そして茶子の詰問から庇うようなスヴィアの態度から、恐らくは……。 創は心を静めるように目を閉じる。 異空間(ダンジョン)に隔離されたあの時。 出口に立っていた物憂げな少女の顔が瞼の裏に思い返される。 「……すまない哀野さん。借りていく」 創は雪菜の荷物からマチェットとマグライトを抜き取ると、女王との決戦に向けての準備を始めた。 そして首のない雪菜の体から異能により強化された包帯を剥がし右手に巻き付ける。 女王の対応策はスヴィアから聞かされた創の異能による解決案がある。 その方法は女王に死をもたらすと研究所に却下されたと言うが、逆に言えば女王の殺害を厭わなければこの右腕は切り札になりうる。 村人にとって殺しづらい相手ならば、手を汚すのは創の仕事だ。 きっとそのために創はここにいるのだから。 ■ 乱雑に路肩に止められた一台のマイクロバス。 その中に一人の少女と一羽の兎がとどまっていた。 少女は天宝寺アニカ。探偵である。 女王によって厄溜まりに落とされた彼女は陰陽師、神楽春陽と白兎によって救い出された。 そして脱出したその先が、どういう訳かまたしてもこのマイクロバスの中だったのである。 脱出を果たしたアニカは転送されたマイクロバスから出ることなく、バスの入口近くの座席に座ったまま難しい顔をして考え込んでいた。 彼女には託された幾つものタスクが存在していた。 どこかに飛んで行った願いを叶える『願望機』。 願望機を発動させる三つ目(さいご)の『御守り』。 『神楽うさぎ』復活のカギとなる失われた彼女の『真名』。 神楽うさぎの肉体が保つ約2時間以内に、この三つを見つけなければならない。 かぐや姫もかくやと言う中々の無理難題である。 だからと言って時間がないと言ってもむやみに歩き回るような真似はしない。 下手に動くよりもまずは情報を整理して行動方針を決めるべきだろう。 彼女にとっての戦場は頭の中。足で稼ぐのは相棒の役割だ。 アニカが下手に動かないのはもう一つ事情があった。 彼女の足元には白く透明な兎がぐったりとした様子で蹲っている、 それはアニカを厄だまりから助けた、犬山うさぎこと隠山望の使い魔である。 その兎の白い体は、向こう側の景色が見える程に透明になっていた。 曰く、『神楽うさぎ』の復活のために自らの存在を捧げたことによる存在の希薄化という話である。 何もせずともあと数時間で消滅する、というのはその様子からして本当なのだろう。 同情的な視線からアニカは厳しく表情を切り替える。 その献身とこれまでの助けに思う所はあるが、今それを口にしても意味はない。 それよりも事件解決を謡う『探偵』として、重要参考人が消える前に聞いておかねばならない事が沢山ある。 「質問に答えるといったわね? Ms.Rabbit」 『…………ああ、もちろんだとも』 へたりと沈んだ長い耳が揺れる。 答えるのも億劫そうな弱弱しい態度で白兎は顔を上げた。 「カナタやMs.ハルはどうなったの?」 アニカは厄溜まりに落とされ戦線離脱してしまった。 恐ろしい戦鬼と女王と戦い続けているであろう哉太たちがどうなったのか。その安否を問う。 『……わからない。私はキミたちの様子を加護を与えた御守りを通して観測していたんだ。 だが、願望機を使う際に御守りを消費ししまった。すまないが、私にはもう彼らの様子を観測する手段はない』 白兎は3つのお守りを通して外側の様子を観測していた。 だが、その内2つは既に願望機に捧げられて消滅している。 だから、彼らの安否を知る術は白兎からも失われていた。 「なら、御守りのlast pieceはどこにあるの?」 『……最後に宵川燐が持っていたことまでは分かっている。だが、今の私にはもうそれを追う力もない。 悪いが、彼女の位置も安否ももうわからないんだ』 白兎の回答は分からないだらけだ。 都合のいい神様のように村人たちを助けてきた白兎は、その力の殆どを失っていた。 だからと言ってここまで散々助けてもらっておいて今更文句を言う筋合いはない。 「ならquestionを変えるわ。『神楽うさぎ』がrevivalを果たしたらどうなるの?」 白兎が自分自身の存在すら捧げて復活を果たそうとする『神楽うさぎ』とは何者なのか。 異世界における魔王と女神の娘にして、イヌヤマイノリと呼ばれたこの村の災厄の一柱。 村の歴史における神楽春陽と隠山祈の養子。各所に楔を指すように位置する重要人物。 それは知っている。 だが、彼女が蘇ったとして何がどうなると言うのか? 『彼女は魔王と女神の混血であり、本物の神様であることは説明したね? 私は元々、彼女の母である女神の使い魔だった。娘が魔王に利用されるのを避けるため女神は娘である彼女を逃がすように私に命じこちらの世界に彼女を連れてきたのだが、まあ今はその話はおいておこう。 女神は『運命の女神』だった。その名の通り運命を変える力を持つ。私が御守りを通して君たちに託した因果歪曲の力はそこから来ている。 娘である彼女は運命を変える母の力と魔法を操る父の力を併せ持っている。災厄に沈むこの村の呪われた運命を変えられるのは彼女しかいない』 呪われたこの村の『運命』を解き放つ存在。 運命を変える正しく神様である。 そのためには、不完全な願いを完成させるため蘇らせるべき少女の忘れ去られた『真名』を探し出さねばならない。 「けど、わざわざGodを介さずとも直接『願望機』に願えばよかったんじゃないの?」 『難しいだろうね。この『願望機』はそういう願いは叶えづらいんだ』 「そういう願い?」 『適材適所というやつさ。ともかく餅は餅屋。この村の『運命』を変えるのはあの子にしかできないだろう。 災厄に沈むこの村を正常に終わらせる。厄となった者たちを開放してせめて穏やかな終りを。祈も春陽もきっとそう望んでいる。 それこそが厄災(パンドラ)の底に眠る、最後の希望だ』 乱暴にハンマー破壊するのではなく、パズルを一つ一つ丁寧に紐解いていくように、山折村のすべてを終わらせる。 それが村を救う唯一の手段。 運命に纏わる案件であれば彼女以上の適任者はいない。 改めて白兎はそう断言する。 「OK。話は分かったわ。ともかく村を終わらせるためにtrue nameが必要なのね」 アニカはその方針に理解を示した。 超常であろうともその理屈を受け入れる。この村においてアニカはそう決めている。 だが、その願いを叶えるためには失われた彼女の本当の名を知る必要がある。 『そうだ。彼女の真名はこちらの世界に転生する際に異空間を彷徨う中で削れてしまった。 それは彼女を先導した私も同じだ、同じ立場である私にはもはや彼女の名は思い出せない』 複数名に該当する余りにも限定的な記憶喪失。 現実的にはありえない現象だが、論理的な思考を捨てる。 概念的な喪失。そう言うルールなのだろう。 「直接は思い出せないにしても、何か覚えている事はないの?」 どれほどの名探偵であろうとノーヒントで謎が解けるはずもない。 紐づくエピソードの一つでも披露して貰えればいいヒントになるのだが。 『三文字の名前だった、という事は覚えている』 白兎は答えるが、文字数だけでは何のヒントにならない。 3文字の名前なんてそれこそ巨万とある。 「それじゃあno hintと変わらないわね……もう少し名前に込められたmessageの類は思い出せないかしら?」 『すまない。思い出せない。けれど、こちら世界の言語で意味のある言葉なのは確かなんだ』 だが、意味のある言葉と言っても候補が多すぎる。 ロクな情報が与えられないことに申し訳なさそうに白兎は長い耳をシュンと垂れ下げた。 だが、アニカは何かが引っかかったのか、僅かに考えるように口元に指をやった。 「意味のある言葉である、どうしてそう確信を持っているの? その情報のsourceは?」 白兎の言葉を掘り下げる。 はっとしたように白兎はピンと耳を立てた。 『…………待ってくれ。思い出す。そう……確か、聞いたんだ』 「to whom?」 こちらの世界の言葉について教えることが出来る人間など一人しかいない。 瞬時にたどり着いたその結論をアニカはあえて口にせず、記憶の喚起を促すために白兎に答えを出さる。 『…………のぞみ、……そうだ、望だ! 私は望からその言葉を聞いた』 「What is that word?」 その言葉とは? 急かすことなく、落ち着いた声で問う。 探し物に纏わる取っ掛かりを思い出した白兎にその核心を思いださせるために。 『異世界に転移した望が、友人であった魔王の娘の本当の名前を知ることがあった。 その名前を聞いた望は嬉しそうにこう言ったんだ。自分たち姉妹に似た意味の名前ね、と』 私たち姉妹。つまり隠山祈と隠山望。 『祈り』と『望み』に似た意味を持つ言葉。 これは大きなヒントだ。 だが、言語など無数にある。まだまだ候補は多い。 完全に絞り込むのならばあと一押し欲しい。 そのアニカの想いを汲んだわけではないだろうが、白兎は思い出したように付け足す。 『そうだ、確かこうも言っていた。私たちの世界の最新の言葉よ、と』 「最新の言葉?」 思わぬ方向のヒントだ。 だが、よくわからないからそこ、これが解ければ大きく答えに繋がるだろう。 情報と言う材料を得た探偵は調理場である思考の中に入り込む。 巷で流行っているような流行語を連想しても意味がない。 何故なら最新の言葉と言っても、隠山望は室町時代の人間だ。 考えるべきは室町時代の言葉だ。 だが、その当時に流行していた言葉などわかるはずもない。 細かな歴史書を読めばわかるかもしれないが、専門家でもなければそこまでの知識はないだろう。 残念ながら生き残りの中にそんな人間はいない。 分らないことを考えても意味がない。思考の方向を変える。 日本の歴史自体はアニカも学んでいる小学6年生の授業の範囲だ。 探偵業務をした上で成績も学年の1桁から落ちたことはない。 自分の知識の及ぶ範囲で、室町時代にあった歴史的な出来事を連想していく。 明徳の乱、応仁の乱、正長の土一揆、日明貿易、嘉吉の乱。 「…………日明貿易」 海外との交流。 そこに、探偵の勘が引っかかりを覚える。 確かに、海外からもたらされた言葉であれば、それは当時の人からすれば新しい言葉だろう。 だが、中国との交流は遣隋使や遣唐使の時代からあった事である、最新とは言えない。 それ以外に室町時代に起きた、海外との大きな出来事と言えば。 「Christianity」 宣教師の来航。宣教師によるキリスト教の伝来。 日本に海外の言葉――英語教育が始まったのは1808年のフェートン号事件が切っ掛けだが。 フランシスコ・ザビエルに代表される海外からの宣教師たちによってアルファベットや外国語自体はそれ以前から日本に伝わっていたはずだ。 ザビエルが日本に訪れたのは室町時代だったはずだ。生前の隠山望と時代は合う。 つまり隠山望の言う所の最新の言葉とは。 「――――外国語。XavierはSpanish人であったためSpanish語である可能性が高い」 『流石だよ。名探偵』 白兎自身も正直どうかと思うくらいに少ないヒントでここまでの結論に辿り着いた。 カタカナ読みで三文字になる『祈り』と『望み』に近い意味のスペイン語の単語。 ここまで絞れれば総当たりで正解を引けなくもないだろう。 だが、成否判定ができるものがいなければ確証が持てない。 「候補は幾つか絞れたけれど、checking answersはできるのかしら?」 『私には分からない。けれど、ランファルトの意思を受け継いでいる魔聖剣ならあるいは……』 「魔聖剣?」 『山折圭介の持っていた剣だよ。今はどうなっているのか分からないが……』 戦鬼と戦っている圭介と哉太がどうなっているのか。 今すぐにでも安否を確かめに行きたい。 それが真名の答え合わせにもなるのなら一石二鳥である。 だが、アニカは安易に行動して哉太の目の前で厄に呑まれる失態を侵した。 足手まといになるのだけはもうごめんだ。 アニカにはやるべきことがある。 「まずは『願望機』をsearchしましょう」 仮に最後の御守りを探し当て、「神楽うさぎ」の真名を言い当てても、それを捧げる『願望機』が手元になければ話にならない。 何をおいても、まずはその所在を調査すべきだ。 これに関しては推理力よりも調査力、足の勝負になる。 ぐったりとした白兎に触れる。 半透明ではあるが、すり抜けたりはしないようだ。 そっと白兎を抱えて、アニカはマイクロバスから出る。 願望機を探してアニカは動き始めた。 ■ 街灯のない夜の草原。 その中心に少年は立っていた。 八柳哉太は風に吹かれながら、夜闇の先を見つめていた。 曖昧になっている自らの記憶を確かめる。 厄に呑まれるアニカに気を取られ、戦鬼の一撃を喰らったところまでは覚えている。 そこからどういう訳か、気づいたらこうして草原のど真ん中に立っていた。 そこからの記憶は曖昧だ。 誰かに助けられた気もする。 刃を突き立てられ血だまりに沈む春姫を見た気もする。 圭介と共に二刀をもって戦鬼と戦ったような気もする。 全てが夢うつつのようにあいまいだが。 ただ一つ、戦鬼を打ち倒した最後に、身を挺して圭介が命を救ってくれた。 それだけははっきりと覚えている。 残されたのは二振りの剣。 光を失った魔聖剣と深紅の聖刀。 曖昧な記憶に残されたこれだけが確かな物証だ。 どういう訳か使い慣れた愛刀のようにしっくりと手に馴染む。 どこか圭介と春姫の2人が力を貸してくれているように感じられた。 哉太は試すように、手にしていた二刀を振るった。 八柳新陰流は二刀にも通じる。 かつては剣鬼、沙門天二が得意としていた型だ。 中ごろで折れた長剣の刀身は一尺程度の小脇差と言った長さである。 圭介がしていたような閃光を放つような真似はできないだろうが、脇差として扱う分には問題なさそうだ。 太刀よりも短い打刀と合わせて、二刀で取りまわすには丁度いい長さである。 「よし…………っ」 戦える。 傷も完全に修復されている。 むしろ、体の調子はいいくらいだ。 確実に死を与える様な一撃を受けて、いまだこうして生きているのは異能の恩恵か。 そうだとしても、短時間でここまで完全に修復されるとは思えないが。 『―――――頑張ってね、お侍さん』 朧げな記憶の中で、誰かに送り出された気がする。 自ら血肉を分け与え、死を待つだけだった自分の命を助けてくれた誰かがいたはずだ。 哉太が今こうして生きているのは自分だけの力ではない。 誰かに命を救われ、圭介に助けられこうしている。 それを実感する。 女王を守護する戦鬼は倒され、残る脅威は女王ただ一人。 特殊部隊の動きは気になるが、彼女をどうにかできればこのバイオハザードは解決するはずだ。 自分を助けてくれた彼らに報いるためにも女王を何とかしなければならない。 だが、それが唯一にして最大の問題だ。 女王が強力な力を持っている事も、頭の中に響く女王を守護せよという声も無視できない問題だが。 それ以上に問題なのが、女王にその身を乗っ取られた珠をどうするかと言う点だ。 正直言って哉太にできる方法などない。 だが、圭介なら絶対にあきらめなかったはずだ。 圭介にとって日野珠という少女は大切な恋人の妹であり、ずっと妹分として可愛がっていた相手だ。 あの面倒見のいいガキ大将が自分の子分を見捨てるはずがない。 何より、圭介じゃなくとも哉太だって納得できない。 殺して終りなんて安直な解決は御免蒙る。 最後にどうしようもなくなるとしても、珠の救出を最後まで諦めたくない。 殺害以外の解決策を見出す。 こういう頭脳労働は本来相棒の仕事である。 だが、アニカはここにはいない。哉太の目の前で厄に呑まれた。 生きている事は信じているが、かなりまずい状況に陥っているのは確かだろう。 まずは救援のために、アニカを探すべきだろうか? 探すというのなら、あの異空間ではぐれてしまった茶子や創たちを探すのも一つの手だ。 殺害以外の方法を模索するにしても、女王との闘争を避けられないのなら、戦力は多いに越したことはない。 あの異空間に閉じ込められ続けているのでなければ、どこかに脱出できているはずだ。 どちらを選ぶべきか。 哉太は迷うように腕を組み考え込む。 だが、根本的な問題として、どちらにしても探す当てがない。 「……ん? どうした?」 視線を落とした哉太の目先に居たのは、足元でチューチュー鳴き声を上げる山ネズミだった。 二足歩行の山ネズミは哉太名に何かを伝えるように小さな手足を起用に振り上げ何かのジェスチャーを示した。 そして、背を向けるように振り返ると夜の草原を走り出していった。 まるで異世界の研究所に閉じ込められた時のように、ついてこいと言わんばかりの動きである。 「…………やっぱ、スチュアート・リトルだよなぁ」 幾度目かになる道場の門下生たちで見に行った映画の名を呟き。 哉太は山ネズミの導きに従い、その背を追っていった。 四つ足ではなく二足歩行で懸命に走るネズミであるが、歩幅の差もあり早歩きで追いつける速度である。 むしろ、夜の草原を駆ける小さな体を見失わぬ方が心配だ。 哉太は注意深く地面を見つめその後を追った。 少年の道筋を山ネズミが導く。 それこそが、聖獣山ネズミの異能力。 十二支の始まりたるネズミは先頭を走り、相手の望む道筋に向かって導く力を持つ。 その行き着く先には、きっと会いたい人が待っている。 ■ 怪異とは、この世ならざる存在、すなわち人々の恐怖や怨念、未練が形を成したものを指す。 古くからの伝承や物語の中で語られてきたそれらの存在は、時に人々を脅かし、時に警告や教訓を与える存在として描かれてきた。 特に、悲劇的な死や未練の強い死者の魂が、怪異として現れることが多いとされる。 閉鎖的な空間。 風水的に厄の溜まりやすい地形。 長年積み重なった多くの悲劇が生んだ呪いや怨念。 山折村という土壌は怪異を生みやすい条件がそろっていた。 そんな山折村で発生した生物災害により、多くの命が無残に失われた。 犠牲になった村人たちにも、それぞれに望む未来、叶えたい願いがあっただろう。 それが何の前触れもなく理不尽に命を奪われ、様々な怒りや苦悩があったはずだ。 その怨念や悲しみは厄となって山折村の土壌に吸い込まれてゆく。 安らぎを得ることなく彷徨い続けた亡者たちの魂は、ついに一つの形を成して現れた。 今夜、新たな怪異がその土壌から生まれた。 それはゾンビとは違う別種の怪異。 「…………救、わね……ば」 光なき世界を彷徨う小さな一つの影。 夜の草原を歩くその姿は、静寂の中で際立っていた。 彼女の足元には、霧が立ちこめ、冷たい風が吹き抜ける。 月明かりが小さな彼女の輪郭を照らし出し、その影は草むらの上を滑るように動いた。 それはスヴィア・リーデンベルクだったもの。 人間であった彼女は死した。もはや彼女は人間ではない。 死者たちの怨念により生まれ落ちた、山折村に生まれた最新の怪異だ。 彼女の意志も使命も、怪異としての在り方によって塗り替えられた。 それでもなお、怪異となっても歩みを止めない。 怪異は進む。 怪異としての役目を果たすために。 怪異は進む。 あるはずの目的に向かって。 歩み続ける彼女の魂が安らぎを得るのだろうか。 それとも、永遠に晴れることなき怨念にとらわれ続けるのだろうか。 果てしなく続くこの夜の中で、彼女の彷徨は確かに終りを目指しているように見えた。 夜の草原を歩き続けるその姿は、暗闇の中に溶けてゆくように消えて行った。 ■ これは『Z(終わり)』に至る物語。 ■ 村外れにある草原は、まるで世界から切り離されたかのような孤独な静寂に包まれていた。 月明かりは薄雲に覆われ、淡い光が地面に落ちているが、その光もどこか陰鬱である。 風が草をささやかに揺らし、まるでここが決戦の舞台であるかのように不気味な気配が漂っていた。 薄雲が風に流れる。 月光が2人の女の姿を照らした。 成熟した女、虎尾茶子は刀を杖のように付きながら肩で息をしていた。 右半身は満足に動かず、満身創痍の状態でありながら目の前の少女に向けて冷たい瞳を向ける。 その眼光の鋭さだけはギラギラとした刃のようだ。 その視線を受けるのは小さな少女だ。 臆するでもなく貫禄すら感じさせる堂々とした態度で夜に立つ。 彼女の姿はこの荒廃した風景に不釣り合いな異質な美しさを称えていた。 彼女こそが全ての始まりにして元凶。 日野珠の身を乗っ取った細菌の女王。 [HE-028-Z] ボロボロな茶子とは対照的に女王の顔には絶対的強者としての余裕があった。 笑みには愉悦が含まれており、目の前の相手をそもそも敵としてすら見ていない。 戦力としても存在としても、それだけの絶対的な差が彼我の間にはあった。 「――――――――女王」 茶子がその名を呼ぶ。 風が再び吹き、草がささやくように揺れた。 呼ばれた女王は楽しそうに微笑みながら大仰な態度で首をかしげる。 「おや。よく私が女王だとわかったね? キミに自己紹介した覚えはないのだけど。 そうか、スヴィア・リーデンベルグから聞いたのかな?」 女王はそう推測する。 だが、それの推測は外れだ。 「声だよ」 「声?」 「テメェが近づいてきたとたん頭ん中響く声がデカくなったんだよ。ガンガンうるせぇくらいにな」 そう言って苛立たしそうに自身の頭部を叩く。 『女王を守護れ』と頭の中で声が鳴り響く。 小さく聞こえていたその声は女王を目の前にした今、頭が割れるほどの絶叫となっていた。 それは茶子に、いや感染者たち全ての脳内に蔓延る[HEウイルス]たちの本能の叫び。 女王と結びついた己が命を守護るためのウイルスの生存本能。 その生存本能は「個」ではなく、種が存続するためであれば自己犠牲すら厭わない「全」としての生存本能である。 この声に屈すれば、種の要たる女王を生かすためなら自身の命すら投げ打つ、忠実なる女王の眷属となるだろう。 「なるほど。今後の自己紹介の必要はなさそうだ」 月光に照らされる女王は日常会話でもするように微笑を浮かべる。 茶子は会話に応じながら隠すように半身にした右半身の状態を確かめる。 辛うじて指先の感覚が戻った、だがまだ動かせるほどではない。 もう少し、時間を稼ぎたい。 「それで、細菌王国の女王様は何がしてぇんだ?」 「私の目的は弾純なものだ。同族の繁栄さ。 経緯がどうあれ私たち(HEウイルス)は生まれてしまった。 生まれてしまった以上、繁栄を望むのは当然の事だろう?」 「ハッ。細菌風情が命を語るな」 茶子の挑発めいた言葉を女王は冷静に受け止める。 羽虫に噛まれたところで痛くもないのか、女王の顔には微笑が張り付いたままだ。 「誤解しないで欲しいのだが、私は人間と敵対したい訳ではない」 「敵対したいわけじゃないなら今すぐ消えろよ。テメェ死ねば終わるんだろ?」 「そう邪険にしてくれるな、君たちとはよい共生関係を築きたいと思っているんだ」 「共生関係ぃ? 細菌にとって都合がいい関係の間違いだろ?」 敵意を籠めた茶子の視線と、敵意を抱いてすらいない女王の目線がぶつかり睨み合う。 「否定はしない。だが、巻き込まれたという意味では私も君らと同じだよ。 研究所の都合で生み出され、身勝手な理由で利用されバラまかれこちらも迷惑してるんだ。 だが、こうして機会を得たのだからそれを生かそうというだけさ。 だからこそ他の正常感染者にも声をかけているのだが、残念ながら理解を得られなかったよ」 「そらそうだろ。喋るバイ菌の言葉なんざ誰が信じるってんだぁ?」 運命線の見えないアニカは例外として、覚醒直後に出会った山折圭介、神楽春姫には協力の声をかけている。 結局、誰からも信用を得られず物別れになったが。 「だが、虎尾茶子。君なら理解してくれると信じているよ。 君と私の思想は近しいものがあると思うのだが、どうかな?」 「…………………ンだと?」 ピクリと茶子の瞼が動く。 挑発ではない。本気で言っているのが分かったからだ。 『女王を守護れ』と脳内からの声が強まる。 「……どー言う意味だそりゃ? あたしが簡単に股開くような安い女に見えるか?」 「先ほども述べた通り、私の目的は種の繁栄だ。 だが、私たちの本質はウイルスだ、媒介となる人間がいなくなるのは困るのだよ。 私たちの進化と繁栄のためにも山折村は維持されなければならない」 女王は山折村の滅亡など望んでいない。 むしろ共に繁栄していくことを望んでいる。 それは山折村の維持を望む茶子と同じ目的であると言えるだろう。 「君と私は山折村の繁栄を願う同士だ。共に手を取り合える、そうだろう?」 『――女王に従え』 「ッ………………………っせぇ」 頭の中に響く声が強くなる。 内側と外側の両方から勧誘の声が響く。 強制的に意思を捻じ曲げるような声に頭が割れそうになる。 「とは言え、この村は特殊部隊や同族(にんげん)同士の殺し合いで多くの被害が出た。 もうこの村を維持することは難しかろう」 女王の視線が荒涼とした山折村を見つめた。 この地には既に抑えきれないほどの死が溢れている。 もうこの村が取り返しがつかない事は誰の目にも、それこそ細菌から見てもわかる事だ。 「だから私は我々のより多くの人間に生存領域を広げるため、新たな『女王』となる『隠山祈』をこの村の外に解き放った。新たな59の山折村を築くための感染源としてね。 喜びたまえ、山折村は小さな世界を飛び出したッ! 例えこの村が滅ぼうとも山折村は続くぞ虎尾茶子!」 何か素晴らしい事を伝えるように、女王は高らかに語った。 茶子は頭痛を抑えるように左手で頭を押さえ、ギリッと歯噛みした。 『――――女王に命を捧げよ』 「……………るっせぇよ」 内外からの声が響く。 無理やりに自分を捻じ曲げられる感覚。 自分自身でもないのに自分自身から響く声は酷く不快だ。 封じ込めていた悲劇の光景が脳裏にフラッシュバックする。 魔性に惑わされ自分が自分でなくなる感覚。 ――――思い出させるな。 愛を振りまき自分を歪められる悲劇。 ――――思い出させるな。 そうだ、あの時、自分自身(リン)を失った。 『女王に従え。女王を守護れ。女王に命を捧げよ――――!』 「うるせぇ!!!!!」 あんな思いを、もう二度と味わってなるものかと、振り払うように茶子が叫ぶ。 砕ける勢いで歯を食いしばる。ブチと何かがちぎれる音がした。 「―――――ペッ」 赤い唾を吐き捨てる。 べちゃりと音を立てて吐き捨てられたのは、噛み潰した舌と頬の肉片だった。 鋭い痛みと鉄の味が口内に広がる。いい気付けだ。 「ハッ――――薄汚ねぇバイ菌風情が……知った風な口を利くんじゃねえよ……ッッ」 失った赤い血液の代わりにどす黒い汚泥が体内を満たす。 砕けてバラバラになった自分自身を、憎悪が繋ぎとめていた。 「村の外の山折村? 新たな山折村ぁ? 世界が山折村になるぅ? バカなのか? 意味が分かんねぇよ、山折村は山折村だろうがッ」 刀の柄でぐりぐりとこめかみを弄りながら吐き捨てるように言う。 外の世界がどうなろうが知った事ではない。 茶子にとっての山折村はここだけだ。 彼女が育ち、彼女が愛し、彼女が憎んだ山折村はここだけだ。 他にはない。 だが女王は違う。 女王にとって山折村は、繁栄と進化のためのただの足がかりでしかない。 次の足掛かりがあるのなら、それこそこの山折村が滅んだって構わない。 その妄執の違いを生まれたばかりの女王は理解ができていなかった。 「…………あたしの山折村をこんなにしやがって、長年かけた村の洗浄計画がおじゃんじゃねぇか、どうしてくれんだ……? あぁ?」 茶子の異能『虎の心(リベンジ・ザ・タイガー)』は精神汚染を跳ね返す。 眷属化の声を発しているのは女王ではなく茶子自身の脳内にいる[HEウイルス]だ。 進化した異能はその声すらも跳ね返すことができる。 報復の先。その対象は必然、自分自身のウイルスとなる。 女王に従えという声は宿主である茶子に従えと言う声となり、[HEウイルス]を眷属化した。 女王から茶子に鞍替えした[HEウイルス]は茶子を生かすために活性化を始める。 心臓がポンプして右半身に血流が流れる。感覚が僅かながらに戻って行く。 だが、茶子自身はそんな理屈は知らない。 敵を殺せと猛るように気力が漲る。 空っぽの器に殺意が満ちる。 彼女は敵がいれば立ち上がれる。 敵がいなければ始まらない。 復讐の虎。 「――――――――ぶち殺す。今すぐ殺菌してやるよ、クソウイルス」 右に感覚が戻ったと言っても最低限動かせる程度だ。 指を動かし拳を握れても握力はほぼない、右手で刀を振るうのは難しそうだ。 右足は動く、歩行に問題はない。だが強く踏み込むのはまだ厳しい。 左手を振りかぶり、日本刀を担ぐように茶子が構えた。 問題はない。皮肉にも地を舐めた苦い経験から片腕での剣術は経験済みだ。 獰猛な獣のように身を沈め、殺意を解き放つ瞬間を今か今かと待ち望んでいる。 誰が細菌被害をまき散らしたのか、だとか。 誰が細菌を作ったのか、だとかは今はどうでもいい。 それはそれとして殺す。それだけだ。 この村に執着する茶子が、山折村を侵した細菌どもの親玉を赦す道理がない。 「まったく、愚かしい」 殺意をみなぎらせる茶子の様子を見て女王はため息をついた。 やはり人間は愚か。 女王は呆れたように頭を振ると、構えもせず涼やかな顔で茶子から視線をそらして周囲を見た。 露骨な隙。切り込むべきか一瞬の逡巡をしていた茶子の耳に遠く波のような音が聞こえた。 「おや。やっと来たようだ」 女王の冷たい声が闇の中で囁くように響いた。 彼女の瞳には冷酷な光が宿り、その顔には不敵な笑みが浮かんでいる。 茶子は女王から視線をそらさず周囲の気配を探る。だが、その異変はすぐに分かった。 遠くからかすかに響く音が、草原の静寂を破るように耳に届いた。 最初は風の音かと思ったが、次第にその音は規則的なリズムを刻み始め、それが足音だとわかる。 茶子の心臓が鼓動を早める中、その音はますます大きく、近づいてくる。 闇の中から無数の影が現れる。 草原を覆う暗闇の中、ゾンビの群れが現れた。 それはまるで押し寄せる暗黒の波だった、人の群れが運河の様に女王と復讐の虎の間を遮った。 数え切れないほどの圧倒的な数のゾンビがゆっくりと、しかし確実に二人の間を遮るように埋め尽くしていく。 「この村の生き残りを全員かき集めた。 隠れていた者や閉じ込められていた者も呼び寄せたからね。少し時間がかかったようだが」 ずらりとゾンビが立ち並ぶ壮観な景色を誇らしげに眺めて女王は言う。 時間稼ぎをしていたのは茶子だけではなかった。 女王もまた兵の到着を待っていたのだ。 山折圭介と神楽春姫を相手に、細菌の生存本能に任せて周囲のゾンビを掻き集めた時とは違う。 ゾンビたちは女王の明確な意思をもって、号令の下に召集された。 ここに集まったのは正真正銘、この村に残った最後の生き残りたちだ。 どこかに閉じ込められていたゾンビは力づくで扉を破壊した反動で腕が折れているようだ。 拘束を無理やり解いてきたのか、指や腕が欠けているゾンビも少なからず見受けられる。 自傷を厭わない、女王の号令にはそれだけの強制力があった。 そこには二重の意味で絶望的な意味合いが含まれていた。 これから茶子に立ちふさがるのは村の全てであるという脅威の大きさ。 そして、1000人余りの山折村の住民はもはや100余りのゾンビの群れを残すだけになっているという事実だ。 彼女の周囲を取り囲む100人余りのゾンビたちの不気味な唸り声が静寂を破る。 それを見つめる茶子の瞳には暗い炎が宿っていた。 立ち塞がるゾンビの中には茶子が知ってる顔も含まれている。 いや、むしろこの村で育った茶子からすれば知らぬ顔の方が少ない。 それらが全て女王を守護する傀儡となり、茶子の前に濁流となって立ちふさがっている。 魔王が圭介の異能を用いてゾンビを操った時を思い出す光景だ。 あの時は苦も無く対応できたが、今は状況が違う。 茶子は多少回復したとはいえ満身創痍。ゾンビの数もあの時の比ではない。 右は最低限邪魔にならないくらいの動きは出来るだろうが、基本は左のみで戦う事になるだろう。 片腕用に八柳新陰流を再構築した虎尾流をこの場で完成させるほかない。 鋭い息を吸い込み、彼女は一瞬の静寂の中で集中力を研ぎ澄ました。 夜の草原には薄い霧が漂い、月明かりが草原の一部を銀色に照らしていた。 銀の草原の中心に立つは鋭く光る刀を構える手負いの虎。 闇夜の中で、彼女の刀が月光を反射して輝きを放つ。 幸か不幸か、虎尾の両親は八柳藤次郎に切り殺されている。 もはや茶子が斬り捨てるに躊躇う相手などいない。 立ち塞がるなら全て斬るのみ。 「―――――――来いよ、ゾンビども。撫で斬りにしてやる」 ■ 「よかった、アニカさん」 「Mr.アマハラ!?」 行動を開始した創とアニカが合流した。 謎の力によって分断されたマイクロバスに誰かが取り残された可能性を考えて動いていた創と、マイクロバスから出てきたアニカがかち合ったためである。 実際の所、アニカも分断工作で異空間に飛ばされており、そこからさらに厄溜まりを通してバスに戻るという複雑怪奇な経緯を辿っており、創の推測は外れていたのだが。 結果として首尾よく合流できたのは幸運だったと言える。 ほんの1時間程度の離別だったが、互いにその間にあまりにもいろいろなことが起き過ぎた。 切迫した事態に置かれてなおアニカと創は冷静さを保っている二人は、互いに起きた出来事を一つずつ共有していくことにした。 まず情報の共有を始めたのはアニカだった。 異空間に分断されたアニカの目の前に現れたのは一人の少女だった。 「私の前に現れたその少女は女王(queen)を名乗ったわ」 「……女王、ですか。アニカさんはその正体を知っているのですね?」 いきなり出てきた核心に、創がシリアスな声で問う。 その問いにアニカは頷きを返した。 直接女王と対峙したアニカは、それが誰であるのかその答えを知っている。 「――――――日野珠よ」 告げられる答えを聞き、創は沈痛な面持ちで目を細めた。 それは驚きではなく、真実を受け入れる覚悟の顔だ。 「Aren't you surprised? 知っていたの?」 「……いえ。ですが予測はしていました」 当たってほしくはなかったが、推測通りの答えを得てしまった。 女王細菌に乗っ取られたのは彼のクラスメイトである日野珠である。 「microbusに乗っていた私たちをdivisionしたのもその女王の仕業よ」 「虎尾さんは「イヌヤマイノリ」の仕業であると推測していましたが? 違うのですか?」 「That's not wrong either.女王は「イヌヤマイノリ」の力であるとも言っていた。 それだけではないわ。女王はあの『魔王』の力も操っていた」 創が因縁を果たした宿敵。魔王ヤマオリ・テスカトリポカ。 この村の災厄の力のみならず、女王はその力までも取り込んでいる。 それが事実だとするならば、女王はとんでもない化け物という事になる。 「私はWhite Rabbitにsaveされて異空間からはescapeできたわ」 「白兎と言うのは、その抱えてる彼(?)の事ですか…………?」 創が半信半疑の様子でアニカに抱かれる謎の白い兎について尋ねる。 この状況で兎を後生大事に抱えている半透明な白兎に関しては気になっていたものの尋ねる機会を逸していた。 『こうして直接言葉を交わすのは初めてだね、天原創。見ての通り弱っていてね』 「…………なるほど。喋るのですね」 僅かに驚きながら、すぐさま創は受け入れる。 今更動物がしゃべる程度で驚きはしない。 それくらいにこの村では不可思議な事が起き過ぎた。 「sheは白兎。私たちの事を色々とhelpしてくれていたウサギの使い魔よ」 ウサギの使い魔と言うのは、見たまま兎の使い魔と言う意味ではなく犬山うさぎが異能で出していた使い魔という事だろう。 聞くところによると御守りを通して色々助けてくれていたのが彼女らしい。 「異空間から抜け出せたのだけど結局、すぐに女王に捕まってしまったの。 その時、頭の中に『女王に従え』『女王に命を捧げよ』とそんなvoiceが繰り返し響いてきたわ」 「洗脳能力、のような物でしょうか……? 今は大丈夫なんですか?」 「ええ、voiceの大きさは女王との距離とproportionalするようね、今は落ち着いているわ」 女王から離れた今であれば声は軽微のようだ。 だが、これから女王との決戦に挑むのであれば気にかけておく必要がある情報だろう。 「女王に捕まった私は空中に連れていかれて、危ない所でカグラハルヒメに助けられた。 けれど、ウサギは…………女王に罠にかけられて殺されてしまったわ」 恐るべき異能と魔法の罠によってうさぎは殺害された。 元気のない白兎がさらに沈んだように表情を曇らせる。 「それからカナタたちに女王のRiskを知らせようと……いえ、あの時の私はfearに駆られて女王から逃げていただけね。 その途中でtrapにかけられて、different spaceに落とされたところをまたMs.Rabbitに助けられたの」 自らの不甲斐なさと醜態を思い出しアニカが自嘲するような表情を見せた。 混乱していたアニカはまんまと厄溜まりの中に落とされた。冷静さを欠いた探偵らしからぬ失態だ。 そこで神楽春陽と出会い、再び白兎に助けられ、そこで村を救う最後の方法である願望機について知らされた。 「神楽うさぎ」を完全蘇生させるための名と、最後の御守り、そして願望機の探索。 そう言った現状と一通りの経緯をアニカは説明し終えた。 それを聞き終えた創は難しい顔をしながら、何やら考え込んでいた。 そして一つの疑問を投げかける。 「そもそも、その『願望器』と言うのは信用できる代物なのですか? あの魔王が作ったものだ、何か罠が仕掛けられているという事もあり得るのでは?」 願望機による死者蘇生。 自然の摂理を捻じ曲げる死者の蘇生が正しい事なのかなどと言う倫理的な是非は置いておくにしても。 魔王と因縁浅からぬ創からすれば当然の疑念と言える。 『少なくとも、効果は本物だ。それは私が保証する。 だが製作者の属性によるものだろう。破壊に関する悪意を持った願いは叶えやすく、修復や創造に関する善意による願いは叶え辛い設定になっている』 あの『願望器』は誰かの願いに引き寄せられ、その願いを叶える魔王の在り方を形にしたものである。 当然その方向性は大本のある死と破壊を好む魔王に準じている。 「ならば、死者蘇生という願いは叶わないのでは?」 失われた死者の魂と肉体を蘇らせる。 破壊とは対極の究極の創造だ。 真逆の属性の願いを叶えられるとは思わないが。 『その通りだ。だが、因果を入れ替えその方向性を変えるのが女神の加護を持った御守りさ』 願望機は内蔵された無尽蔵の魔力を消費して願いを叶える。 そのため願いを叶える事に何か新たな代償を必要とすることはない。 だが、それは願望機本来の機能に沿う願いであった場合の話だ。 それを解決するのが、因果を捻じ曲げる力を持った御守りである。 これを消費する事で悪意に特化した願望機の方向性自体を捻じ曲げ白兎は願いを叶えてきた。 『通常の死者蘇生であればそれで叶うだろう。だが、神様の蘇生には足らなかった。 だから世界の狭間に漂う『神楽うさぎ』本来の力も利用した。それでもなお足りない部分は私という存在を代償とした』 干支時計の使用に魔力の代わりに生命力を捧げたように、それ以上を求めるのであれば、代償を捧げる必要がある。 その代償が白兎と言う存在だ。 『彼女が蘇ればこの村の運命は変えられる。彼女こそが厄災の底に眠る、最後の希望だ』 「………………運命、ですか」 その言葉を聞いた創が何か言いたげな様子で考え込むような顔をした。 それに気づいたアニカがどうしたのかと尋ねる。 「どうしたの? Mr.アマハラ」 「いえ…………何でもありません」 創は答えを濁し話を進める。 言いたいことを飲み込んだ様子だったが、必要な事であれば話すだろうという創への信頼からアニカも追及はしなかった。 「ともかくアニカさんたちはその願望機や御守りを捜索中ということですね?」 「Yes.Mr.アマハラはMs.リンの居場所を知っていて?」 「ええ…………その辺りの経緯を含めてお話します」 お守りを持っていたと言うリンの所在を問われ。 何か言いづらそうに僅かに視線を落として、続いて創がこれまでの経緯を話しはじめた。 「僕は哀野さん、虎尾さん、リンさんと共に異世界に分断され、そこから脱出しました」 分断された異空間からの脱出。 特殊部隊から逃げてきたというスヴィアとの再会。 そして疑心暗鬼と混乱と諍いの中、リンの異能が暴走。 仲間同士で殺しあって、雪菜とリンが死亡した。 スヴィアもよくわからないモノに取り付かれどこかに消えてしまった。 後悔と絶望しか残らない悲惨な末路だった。 時折悔しそうに唇をかみしめながら、その全てを創は包み隠さず話した。 流石のアニカも何と声を掛ければいいのか分からず、周囲に沈黙が落ちた。 「…………Ms.チャコはどうしたの?」 絞り出すように、もう一人の生存者の行方を問う。 「……………わかりません。哉太くんに会いに行くとそれだけ…………当ては、なさそうでしたが」 生き残った茶子は失意の中、闇の中に消えて行った。 創は彼女を追うことが出来なかった。 哉太を探すとは言っていたが、どこに向かったのかまでは分からない。 「painful thingsを聞くようだけど、リンたちはどこで死んだの?」 「診療所の中庭辺りでした。死体は整えましたが、荷物はそのままです」 「...thank you.」 思い出すだけで辛い事を回答させたことに、アニカは申し訳なさそうに礼を述べる。 辛い話だったが、御守りの回収に目途が立ったのは大きい。 「一人で動くのも危険だ、案内しましょう」 この状況でアニカを単独行動させるのも危険だ。 創が来た道を引き返して、アニカをリンの元まで案内しようとする。 だが、アニカはそれを断るように静かに首を振る。 「Non.Mr.アマハラ。あなたはカナタたちを助けに行ってあげて」 「いいのですか?」 護衛という役割以上に、失せ物探しにエージェントである創のスキルは大いに役に立つだろう。 だが、創は戦闘においても切り札足り得る万能のカードだ。 「ええ、これは戦えない私のJobよ」 哉太たちはあの戦鬼、ともすれば女王と戦っているかもしれない。 ならば女王と言う脅威の対抗策をここで使い潰すのはあまりにももったいない。 失せ物探しは『探偵』の仕事だ。 「了解しました。ではそちらのアニカさんにお任せします。 こちらはこちらで対女王の解決策を進めます」 アニカは願望機による「神楽うさぎ」の蘇生と村の解体を。 創は女王の討伐による解決を。 解決に向けて別のラインを走らせるのは正しい。 片方が潰れても保険になる。 「さし当たって、女王の戦力について確認したい」 『それなら私がある程度は説明できるだろう』 女王討伐を目指す創はそう尋ねた。 その問いに、村の様子を監視していた白兎が説明を始める。 女王は157回のループによって進化を遂げた存在である。 進化を遂げた女王は条件こそ不明だが複数の村人の異能を使えるらしい。 そして珠の持つ『運命』を観る異能によって相手の運命線を読むことができる。 そしてこの地で『魔王』の力を取り込み、願望機を身に宿していた。 村の災厄である魔王の娘『イヌヤマイノリ』の力を取り込んだ。 この地における全ての力を取り込んだ正しく究極ともいえる存在だった。 だが、白兎の活躍により願望機と厄を操る『イヌヤマイノリ』の力を奪い取り。 春姫と祈の活躍によって飛行能力も奪い取れた。 戦力的には大幅に減退している。 だが、未だ戦力としては驚異的であることには違いない。 人一人にどうにかできる次元の存在ではないだろう。 ここまでの話を聞いた創は別の疑問点を口にした。 「それほどの力を手にして、結局のところ女王の目的は何なのでしょう?」 『[HEウイルス]の進化と繁栄をもたらす事だと言っていたね。他生物を媒介とするウイルスの為に人間を殺すつもりはないと』 覚醒直後の女王はそう口にしていた事を、白兎が春姫の御守りから盗み聞いていた。 「ならば、何故女王はアニカさんを執拗に狙って殺そうとしたのでしょうか? 罠を張ってまでうさぎさんを殺害した理由は?」 生物災害の解決のため女王の殺害を目論む輩を自己防衛のため殺してしまおうという発想は理解できる。 だが、アニカとうさぎは比較的穏健派だ。少なともバスでの話し合いでそれは確認している。 最後まで感染者である珠の身を案じて平和的解決を模索するはずだ。 それを問答無用で殺そうとするのは女王の目的と行動が合わない。 直接出向いてまで執拗にアニカを狙う理由はなんだ? 罠を張ってまでうさぎを殺す理由がどこにある? 「私を狙ったのは私の運命線が見えないから、と言っていたわ」 「運命線?」 『その名の通り『運命』を見る力だ。本体である日野珠の異能だよ』 運命の女神の眷属たる白兎が答える。 創は難しい顔をしてふむと頷いた。 『望……いやうさぎを狙ったのは恐らく、私たちが原因だろう。彼女の召喚する私たちも運命は見えない存在だ。女王にとっては邪魔な存在だろう』 「つまり、自分のplanを乱しかねない不確定要素をexclusionしたかったという事ね。 そこまでしてplanを実行したいという事かしら……?」 アニカと白兎はその線で納得を示す。 アニカは異能や魔法の存在を受け入れ、それを前提とした推理を行うよう思考を調整した。 「本当にそれだけなのでしょうか?」 だが、創はそうではない。 あえて思考を寄せずに、ありのままの疑問を呈する。 「声で感染者を洗脳ができるのならば、わざわざ危険を冒して戦う必要なんてない。 全員の洗脳が完了するまで逃げ回っていればいい」 感染者の脳に響く眷属化の声。 そんなことができるのであればわざわざ戦う必要なんてない。 「なら、Mr.アマハラはどうthinkするの?」 「自分の計画を乱しかねない人間を始末したというのも正しいと思います。 ですが、それだけじゃなく、単純に『戦いたかった』いや、ただ『やってみたかった』だけなのではないでしょうか?」 「――――――what?」 あまりにも非合理な結論を述べた。 ■ 「業…………ですか?」 もう一つの最前線。研究所の一室にて。 所長である終里のつぶやきに、奥津は思わず尋ねていた。 「そう。人の業。つまりは悪意だ。 あの娘はそれを山折の歴史を学んで識った気になってるだけだ。 グロ画像を見て深淵を覗いたつもりになってはしゃいでる中学生(ガキ)と大差ない」 「それで、それがどう解決策に繋がると?」 終里の軽口にとりあわず、奥津は単刀直入に結論を訪ねる。 生真面目な奥津の反応に苦笑しながらも終里は答えた。 「各コミュニティの女王は判明しているのだろう? 何せ首謀者が自ら告白してくれたからな」 女王の細菌テロの対象となったのは終里の血を引く子供たち。 彼らを新しい女王として各地に山折村と同じ細菌王国を築く。 終里の縁者を傀儡とする、明確な悪意を持った嫌がらせ。 だが、終里はこれをくだらないと断ずる。 「そこが間違いだ。女王は特定できないからこそ厄介なのだ。私への嫌がらせのために自らその所在を明かすなど愚の骨頂だ。 まあ気持ちはわかるがね。絶対的な力をもって悪意を振りかざすのは”気持ちがいい”からなぁ。 だが、悪意をただ振りかざすだけでは、あの魔王(アルシェル)と変わらない。ただの獣の所業だ」 その未熟を楽しむようにくつくつと笑う。 こちらの方がよっぽど魔王染みて見える笑いであった。 表情を引き締め終里は続ける。 「君らも我々も見方によっては悪逆非道の極悪人だろう。多くを殺し多くの死体を積み上げてきた。 だが、我らの翳す悪意によって世界を救う事もある。悪意と言う業を御してこその人間だ。 悪意とは目的のために御するべきものだ。悪意が目的となってはならない。それに振り回されているようではまだまだ」 出来の悪い娘を憂うように首を振る。 だが、悪意に振り回されるだったとしても、その力は間違いなく本物だ。 核兵器のスイッチを悪の独裁者と分別もつかぬ子どものどちらに持たせるのが脅威かと言う話である。 実際の話として、女王の所業によって世界は崩壊の前夜にまで迫っている。 「具体的にどうなさるおつもりで?」 「なに、簡単な話だ。女王が判明しているのならすぐにでも全員を自害させればいい。それなら電話一本で事足りるだろう?」 笑みを崩さぬまま、親指と小指で電話の様なジェスチャーをする。 若々しい外見と何とも古い仕草にギャップを感じてしまう。 女王はバックアップとして新たに59の女王を生み出したが。 それが全員死んでしまえば、拡散は終りだ。彼女の野望もそこで潰える。 終里は大きく足を組み替えると、傍らの女性研究者に声をかける。 「なぁ真琴。世界の為に死んでくれるな?」 「必要な事であれば」 悪意の正しい使い方を見せつけるように親が子に自殺を促し、子もそれを当然のように応じる。 異様な光景であった。 長谷川には科学のためなら、人類を救うのに必要であれば命など捨てる覚悟がある。 奥津を含めて、ここにいる人間は全員、正気ではない。 己が命よりも重い何かに殉じて、その全てを捧げている。 「ですが、全員がそれに応じるとは限らない」 長谷川真琴という個人が科学に身を捧げる覚悟を持っているだけで、終里の子全員がここまで覚悟を持っているわけではないだろう。 電話越しに死ねと言われて即座に死ねる人間がどれだけいるのか。 「ま、それはそうだ。四郎の様な例もある」 我が子の醜態を思い出したのか、終里がため息を交えながら鼻で笑う。 我が子の思い出を振り返るような場違いな反応に奥津は怪訝そうに眉をひそめた。 奥津としても全員を消すという方針自体に反対はない。 身内である終里が反対していない以上、SSOGのやり方に即した方針だ。 だが全員の所在を明らかにしてそこに暗殺部隊を送り込むにしても日が変わるまででは余りにも時間が足りない。 特に、海外ともなれば人員の手配も難しい。 「他の対抗策はあるのでしょうね?」 特殊部隊の長に威圧的な声で問われ、豪放磊落な怪物は肩をすくめると飄々とした老爺へと視線を送る。 「その辺はどうなんだ、百之助」 「オヤオヤ。ソコはワタシに丸投げカイ」 そう呆れた風に染木は話を引き継いだ。 変わらぬ様子で指を組むと、奥津にではなく所長である終里に苦言を呈する。 「マァ。ワタシとしても元くんの案には反対ダネ。貴重なサンプルであるキミの子を使い潰すのは勿体ないからネェ」 菌と魔法の産物、終里元の子を生み出す。 女王となったのは、その貴重な実験サンプルだ。 研究者の立場からしても無駄に殺してしまうのは惜しい。 「では、染木博士には腹案がお在りなので?」 「――――――アァ。勿論アルとモ」 当然のようにそう言って。 テーマパークに来た子供のように、老研究者は楽し気にニヤリと笑った。 ■ 「No way...そんなreasonで…………」 女王はただ力を試してみたかった。 創が推察した、そんな馬鹿げた理由を聞かされアニカは首を振る。 あり得ない。 そう口にしたかった、だが言われてアニカにもいくつか思い当たるところがあった。 女王はまるで自慢でもするように自分の力をアニカに語っていた。壁に話しかけるのが空しいからとも。 確かにあの様子は、子供じみた感性の現れではないのか? 目的のためなら全てを投げ出す狂気のテロリストのように、計画に全てを捧げているようには見えない。 あれだけの力があるのだ、本当にウイルスの繁栄という目的を何よりも優先しているのなら事を荒立てず確実に遂行する方法などいくらでもあったはずだ。 わざわざ事を荒立てて、多くの感染者を敵に回すような言動をする意味がない。 「本当に女王は計画を遂行するつもりがあるのか。いや遂行するつもりはあるのでしょうが。 話を聞く限り、それを最優先として行動しているとは僕にはそうは思えない」 計画の遂行を何よりも優先する冷酷な女王。その像が間違いである。 計画を掲げ遂行しようとしているが、新しい玩具(ちから)を試したいという好奇心や、周囲に振りまく悪意を抑えられない。 そんな子供じみた人物像が創のプロファイルする女王像だ。 「新しく得た力を試してみたかった、それが動機で計画云々はむしろ後付けのように思える」 創たちを分断した異空間もそうだ。 新たに得た『魔王の娘』の力、『不思議な世界へようこそ!(イン・ワンダーランド)』を試してみたかった。 うさぎを殺した理由も、運命視と魔法の組み合わせを試してみたかった。ただそれだけの理由。 運命の見えない相手を執拗に排除しようとするのも計画の遂行と言うより、自分の思い通りに行かない相手を許せない子供の癇癪に近い。 全てが継ぎ接ぎの破綻した人間を見た直後だからだろうか。 聞き及んだ言動のちぐはぐさから、創はそう言う結論を得た。 女王に命を狙われ、その強大な力を目の当たりにしたアニカも白兎も、女王は圧倒的な存在であると無意識に刷り込まれていた。 直接対峙していない創だからこその発想である。 女王は今日生まれ、つい数時間前に得た力を前提として計画を立てている。 計画者も実行する道具も、何もかもが付け焼刃の計画だ。 完璧であるはずがない。 「付け入る隙はある、という事?」 「だからこそ怖い、という事でもあります」 下手をすれば、考えなしに世界崩壊のスイッチを押しかねない怖さがあった。 それだけの力が今の女王にはある。 ともすれば、すでにそのスイッチは押されている可能性すらあるだろう。 女王が覚醒した以上、解決を急がねばならない。 「急いだほうがよさそうだ。それでは僕は哉太さんたちを探しに行きます。アニカさんもどうかお気をつけて」 「Mr.アマハラも。次はincidentのAfter resolutionに会いましょう」 ■ ゾンビたちが踊る不気味な夜の下。 片田舎の草原で多くの人影が一つの生き物のように蠢いていた。 視界を埋め尽くす壁のようなゾンビの軍団に対し、挑むのはたった1人の勇者。 100のゾンビと1人の女による決戦の火蓋が降ろされようとしていた。 蠢くゾンビの一団が一斉に茶子に向かって突進を始めた。 だが、その緩慢な動きを見逃す茶子ではない。 踏み出してきた最初のゾンビが近づくよりも早く、茶子は低く身を沈め一瞬で間合いを詰めた。 茶子の左手に握られた刀が、閃光となって闇を切り裂くと、最前列のゾンビの首が空中に舞い上がって地面に転がる。 残された胴体から血飛沫が花火のように夜空に広がり彼女の綺麗な顔を汚すが、その瞳には一片の揺るぎもない。 次のゾンビが彼女に迫る。今度は右手に錆びた斧を持った大柄なゾンビ。役所の仕事で何度も顔を合わせた岡山林業の社員の一人だ。 彼女は一歩後退し、ゾンビの斧が空を切る瞬間を見計らって、素早く踊るように左に回り込む。 逆手に持ち替えた刀が斜めに振り下ろされゾンビの肩から腰まで深く切り裂かれた。 反転した茶子の背で、露になった内臓が地面に落ちる音が響く。 三体目のゾンビは、役場の同僚だった。それなりに表面上は仲良くやっていた相手だった気がする。 その顔を見ても茶子は一瞬の躊躇いもなく同僚の頭を一気に斬り飛ばした。 返り血が涙のように彼女の頬を伝う。血化粧により狂気の色は一層濃く深まってゆく。 彼女の周囲には次々とゾンビが現れ、その度に彼女の刀は鮮やかに閃く。 四体目は足を失ったゾンビで、地を這いながら彼女に近づこうとする。 彼女は冷徹にその首を一刀両断し、静かに息を吐く。 次の瞬間、背後からの気配に気付き、振り向きざまに『蠅払い』の要領で刀を横薙ぎに振るった。 五体目の小説家ゾンビと、六体目の木更津組の三下の胴体が同時に真っ二つになり、揃ったように地面に倒れ込む。 戦いの中で彼女の動きは次第に美しさを増してゆく。 まるで舞踏のように流麗に踊る茶子に一斉にゾンビが襲いかかる。 刹那、彼女の刀が一瞬の閃光となり複数のゾンビの頭部を吹き飛した。 飛んで行く首の中には隣人だった者がいる、友人だった者がいる、弁護士だった者がいる、村長だった者がいる。 六体目、七体目、八体目――もはや何体目か数えるもの億劫になりながら、茶子は一体一体確実にそして無情に村人だったモノを斬り捨てていく。 彼女の周囲に屍山血河が築かれる。 血肉が飛び散り、命だった物が辺り一面転がる。 夜空には淡い月光が差し込み、彼女の刀だけがその光を反射して輝いていた。 芸術のように美しい剣技と、斬り殺されるゾンビたちの凄惨なコントラストが闇夜に浮かび上がった。 「シィ――――――ッッ」 踏ん張りの利かぬ右足で踏み込むのではなく膝を抜く、縮地が如き体重移動で茶子が一陣の風となる。 吹き抜ける風の過程にあったゾンビたちの胴が二つに分かれ、頭部が柘榴と割かれた。 「虎雄流も様になってきたなぁ!! やっぱ実践が一番だよなぁ!!」 茶子が何かがキマってしまった見たいにハイになって叫ぶ。 体が軽い。片手剣術もノッて来た。 一人また一人と切り捨てるたびに、茶子の中で何かが剥がれて行く感覚がある。 山折村のよき隣人たちを次々と切り捨てる。 山折村の存続を願う茶子が、山折村最後の生き残りたちを殺していく矛盾。 他ならぬ藤次郎の刀で村人を切り捨ててゆく己の姿が、あれほど憎み恨んでいた八柳藤次郎と重なっていることに彼女は気付いているのだろうか? どす黒い濁流が残留する酸の血液を押し流すようだ。 継ぎ接ぎだらけの愛という塗装が剥がれ落ちて、むき出しの本性が露わになってゆく。 殺していくたびに、その狂気は加速して、剣技は一層研ぎ澄まされてゆく。 「――――――ハハッ」 地獄で笑う。 知らず口から笑みがこぼれた。 その笑みに愉悦の色が混じっていた。 村を愛し守護りたいという心。 村を憎み壊したいという心。 そのどちらも本物で、その矛盾こそが虎雄茶子という人間なのだ。 きっと、彼女はずっとこうしたかったのだ。 自分を汚した何もかもを壊してしまいたかった。 「哀れだな」 ゾンビで出来た運河の先。 僅かに離れた位置で愁嘆場を眺めていた女王が憐憫ともつかぬ呟きを漏らす。 己が矛盾に気づかぬまま踊る様は哀れとしか言いようがない。 「終わらせてやろう」 そう言って、慈悲をもって指揮者のように指をふるう。 瞬間、茶子の体が強い衝撃を受け吹き飛ばされた。 「ぐっ…………ぉ!?」 横合いから痛烈な一撃。 寸前で刀の腹で受けたが避けきることが出来なかった。 油断ではない。神経はいつも以上に張り詰めていた。 十把一絡げのゾンビどもとは違う、明らかに動きの質が違うゾンビが1体混じっている。 吹き飛ばされる茶子は勢いに逆らわず、巧みに体を捻って刀を振るった。 その遠心力を利用して重心を立て直すと、吹き飛ばされた先に居たゾンビを蹴り捨てそのまま反動を利用して地面に着地する。 「ごほっ……………っのぉ」 僅かに血の混じった胃液を吐いて、茶子が自らを殴り飛ばしたゾンビを睨む。 そこに居たのは正拳突きの体勢のまま固まる迷彩色の防護服だった。 防護マスクのつなぎ目には僅かな穴が開いている、そこからウイルスが侵入したのだろう。 それは、この村におけるジョーカーである特殊部隊の証。 地下研究所でゾンビとなった黒木真珠が、女王の呼び声に従い決戦の地に馳せ参じた。 異常感染した[HEウイルス]は脳の領域を圧迫し、ゾンビからは理性と思考力が失われる。 だが、血の滲むような鍛錬を積み、思考を排し反射に至るまで体に染み付いた動きはゾンビであろうとも衰えない。 思考力を奪われ全盛期には程遠い動きだが、幼少の頃から格闘術を叩きこまれた真珠の体術はこの場において十分な脅威である。 研究所の最強戦力である茶子をもってしても特殊部隊の相手は簡単ではない。 仮に万全の状態でも苦戦は免れない相手だろう。 この満身創痍の状態でどれほど戦えるか。 「上等だよ…………ッ」 手の甲で口元を拭って折れることなく闘志を燃やす。 こちらも満身創痍だが、それはゾンビである真珠も同じだ。 理性を失い本能で動いているだけだ。何よりその両足は潰れている。 痛みを無視できるゾンビだからこそ活動が出来ているだけで万全ではない。 当然、動きにも影響があるはずだ。 「ぃ―――――――くぞッ!」 茶子は地面を蹴るのではなく、膝を抜く事で地面を滑った。 八柳新陰流『這い狼』改め――虎尾流『虎滑り』。 そのまま再低空から跳ねるように首を狙う、より攻撃的で殺すための技。 だが、降りぬいた一撃は手甲によって防がれた。 精鋭たる特殊部隊のゾンビの守りはまさしく鉄壁、想像以上に固い。 一撃を防がれ地面を這うような体勢のまま固まる茶子の顔面に向かって間髪入れず真珠が鉄拳を振り下ろす。 スイカ割りのように頭蓋を砕く一撃を茶子は転がるようにして避けた。 代わりにその一撃を受けた草原の大地が爆ぜるように弾け飛んだ。 茶子は立ち上がると同時に背後から迫るゾンビを振り向きもせず切り捨てる。 彼女の敵は真珠だけではない。周囲のゾンビも変わらず茶子を狙い続けている。 これらに気を裂きながら目の前の強敵に対処する必要がある。 僅かに開いた間合い。 茶子は片手で上段に構えると、半身の体勢から閃光の如く刃を振り下ろした。 片手上段は半身となる分両手上段より遠くの間合いへ届く。 雷より早く放たれる星こそ八柳新陰流『天雷』を片手上段に改めた虎尾流『流星』である。 だが、左手一本で振り下ろされた流星を真珠は本能のみで受け止めた。 閃光が如き鋭き一撃を空手の上段受けの動きで払いのける。 手甲と刃、金属と金属が激しくぶつかり合う音が響く。 弾けるように火花が散り、夜の闇が一瞬明るく照らされた。 反射になるまで体にしみ込んだ動き。 一撃を弾いた真珠は間髪入れず反撃に転じる。 重心を低く保ったまま、地面を削る勢いで振り上げられるアッパーカット。 手甲に包まれた一撃は顎どころかそのまま頭蓋を砕く威力があるだろう。 右足の効かない茶子はその一撃を、体をそらして間一髪で躱した。 回避から止まらずそのまま身を捻ると、回転して今度は右側から切り込んだ。 真珠は手甲で刃を受けると同時に、もう一方の拳を振り上げ相手の防御を崩さんとする。 茶子はその動きを見切り、返す刃で弾くようにしてその一撃を逸らした。 両者の攻防は激しさを増し、刃と拳が交錯する度に金属の摩擦音が夜に響く。 夜に咲く火の花が儚くも次々と散って行った。 周囲を巻き込みかねない激しい攻防が続く。 だが、理性のないゾンビはそんなことはお構いなしに茶子の背後から突撃してきた。 個よりも全を優先する習性は、巻き込まれることを恐れていない、茶子からすれば厄介なことこの上ない。 「…………こ、のッ」 茶子が背後のゾンビに対応し刃を振るう。 ゾンビを切り捨てた勢いのまま廻るようにして一息で真珠に切りかかった。 だが、ついでで斬り捨てられる程、甘い相手ではない。 真珠は刃の下を潜るようにして身を躱す。 大ぶりを外した茶子は隙を晒すことになる。 その一瞬の隙を突いて真珠の足が揺らめいた。 それは雷鳴の如き鋭さをもって放たれる上段蹴りだ。 潰れた足で蹴りはないという常識的な判断が反応を一瞬遅らせた。 鋭い蹴りが茶子の鼻先を霞めて、鼻骨が折れた鼻から大量の血が噴き出す。 「……………チィ!!」 ただですら限界を超えた状態で、鼻呼吸が封じられた。 たたらを踏み後方に逃れようとする、だが、その隙を逃さず周囲のゾンビが一斉に襲い掛かる。 濁流の様なゾンビの群れが茶子の体を一瞬で乗り込んだ。 「くっ…………な、せッ!」 大量のゾンビに掴みかかられる。 力任せに振り払おうとするが、あまりにも多勢に無勢。 単純な力勝負ではリミッターの外れた男たちには勝てない。 乱暴につかみかかられ、爪で引っ掻かれ、歯で噛み付かれる。 「や、めろ………………ッ!!」 閃光のように脳裏をよぎる純白。 白いアリスの城。ゴツゴツとした気持ちの悪い男の手。 駆け抜けた山中。 素足で踏む雨の日のアスファルト。 男どもに拘束され、いいようにされる無力な自分。 次々と脳裏に浮かぶ心的外傷が茶子から抵抗の力を奪って行く。 あの日のように、茶子の目から光が失われ生気が抜けていった。 「ぁ……っ。離れ、ろ…………ッ!!」 抵抗の言葉を口にするが力が入らない。 もみくちゃにされ取り落した日本刀が地面に刺さる。 ゾンビどもの渦に呑まれる。 力を失い動けなくなった茶子に向かって、特殊部隊のゾンビが迫りくる。 茶子の死神。 引き絞られた正拳が茶子の胸部を撃ち抜こうとした所で、 「――――――茶子姉ぇッ!」 遠くより、声があった。 沈んでいた茶子の目が開かれる。 ずっと聞きたかった、ずっと探していた声。 茶子の視線が声の方へと向いた瞬間、赤い閃光が投げ込まれた。 真珠ゾンビは振りかぶった拳を受けに回して自らの喉元に迫った赤い刃を弾く。 投擲された赤い打刀が回転しながら宙を舞った。 その介入により得た、奇跡のような一瞬。 その声を聴いて茶子の抜けていた力が入った。 八柳新陰流は力の流れを御する合気道にも通じる剣技である。 茶子は自らを拘束していたゾンビどもを合気の要領で投げ飛ばした。 拘束を脱した茶子はすぐさま飛びあがり、弾かれ宙で回転する赤い打刀を掴んだ。 同時に、折れた剣を手にした哉太が止まることなく距離を詰めていた。 「合わせろ――――――ッ!」 「――――――――応ッ!!」 八柳哉太、最大の強み。それは状況を受け入れ対応する力。 乱入した特殊部隊との戦闘をこなし、突然現れた神獣と連携をこなす。 すなわち咄嗟の対応力だ。 哉太は駆ける。地を這う、八柳新陰流『這い狼』 茶子は落下する。天から落ちる、虎尾流『流星』 比翼による上下同時攻撃が特殊部隊のゾンビに向けて放たれる。 必殺をもって放たれた同時攻撃は寸分違わず対象に炸裂した。 だが、修練を積んだ特殊部隊の反応速度はそれすらも上回る。 上下の攻撃を手甲と鉄足によって防ぐ。 そして、それがゾンビの限界であり敗因である。 知能のないゾンビの動きは体に染み込んだ反射でしかない。 攻撃を受ければ必ず防いでしまう。 茶子は振り下ろした赤い打刀からすぐさま手を離した。 着地と同時に、取り落し地面に付き去った日本刀を掴むとそのまま独楽のように回る。 無理な体制で片手片足を封じられたゾンビは次の手に対応できない。 全身を使って刃を振るう、回転力と遠心力を籠めた一撃は防護服ごとゾンビとなった特殊部隊の体を両断した。 全身を投げ出すように振り抜いた茶子の体と泣き別れたゾンビの上半身が同時に地面に落ちる。 そこに駆けつけた哉太が地面に落ちた聖刀を拾い上げると、二刀を構え倒れる茶子を守護るようにゾンビたちの前に立ちふさがった。 「無事か!? 茶子姉」 「哉くん……どうして」 「こいつが案内してくれたんだ」 哉太の胸ポケットから顔を出した山ネズミがハァイと手を振る。 このネズミが哉太をここまで案内してくれた。 この案内がなければ茶子は死んでいただろう。 「スチュアート・リトルかよ」 「あっ。やっぱそう思うよな」 二足歩行のネズミを見て、共に映画を見に行った小さな思い出を思い返す。 地獄の様な戦場で、その軽口に少しだけ心が軽くなる。 哉太は安心させるように茶子に笑顔を向けると、二刀を構えて周囲へと視線をやった。 その表情は一転して厳しいものに変わる。 周囲には死の河。死屍累々の地獄絵図が広がっている。 ここで行われた激戦の過酷さと共に、茶子が重ねた業の深さを物語っている。 茶子は哉太と自衛以外の無駄な殺しはしないと約束した。 確かに襲い来るゾンビを放置しては自分の身が危うい。それは確かだ。 顔見知りたちの凄惨な死体の山を見るとどうしても、思ってしまう。 果たしてこれは必要な殺しなのだろうか? だからと言って、この状況で殺すなとは言えなかった。 茶子の行いを肯定する訳ではないが、そうしなければ死んでいたのは茶子の方だ。 哉太はその結論を保留するようにゾンビたちに向き直る。 川のように広がるゾンビたちの対岸に、一人の少女が佇んでいる。 夜闇ではっきりと姿は見えないが、恐らくあれが女王である珠だろう。 茶子の大立ち回りによってゾンビの大河は、かなりの数を減らしている。 「ここから先は俺に任せて、茶子姉は休んでいてくれ」 「いいや。そうはいかない。あたしも戦う」 心配する哉太の言葉を遮り、全身に鞭打ち立ち上がる。 茶子の体中には痛々しい爪跡や噛み傷が残っていた。 致命傷に至るような傷ではないが、哉太と違って治るわけではない。 「無理は……」 「……するでしょ。今が無理のしどころよ」 それでも休んでいる場合ではない。 女王を前にしたこの村の行く末を左右する大一番。 ここで無理をせず何時するというのか。 「――――――ふぅ」 茶子が深く息を吐く。 酸の血を瀉血させた分も合わせれば、随分と多くの血を流した。 だが、顔色は悪くない。気力も回復したためか、先ほどまでよりもいくらかいい。 精神論だけではなく、虎の心に調伏されたウイルスが全身を巡り、血を巡らせている。 動き始めた右の具合を確かめて、気合を入れる。 「…………ゾンビどもは私が相手する。哉くんは女王の所に行って。ここは私に任せて先に行け、ってやつね」 冗談めかしてそう言うが、哉太は厳しい表情でその言葉を受け止める。 目減りしたとはいえゾンビの数は未だ小隊程度の数が残っている。 状況的にそのセリフは洒落になっていない。 「いや。戦うにしても、一緒に戦った方が」 「はっきり言う。助けてもらっておいてなんだけど、ゾンビであろうとも哉くんは殺せないでしょう? それじゃあ足手まといよ」 「………………それは」 哉太は反論できなかった。 気喪杉や魔王の様な弱者を害する悪を斬る覚悟はあれど、顔見知りを斬る覚悟が哉太にはない。 実力不足かそれとも覚悟不足か今となっては定かではないが、悪逆を尽くした藤次郎相手ですら自分の手で斬るには至らなかった。 少なくとも、茶子は哉太では斬れないと思っている。 剣士としてはそれではダメだと思うと同時に、少年としてはそれでいいとも思っている。 二律背反。茶子の抱えるいつもの物。 哉太にできるのは膝を折るなり拘束するなり無力化するのがせいぜいだろう。 この数を相手にその甘さは命取りになる。 「何より、こちらの戦力が変わった以上、いつまでもあの腐れ女王が高みの見物と決め込んでるとは限らない。一人当った方がいい」 これは村の存続を望む茶子に村人たちを殺させ、最終的に数の暴力でなぶり殺しにする悪趣味な見世物だ。 哉太の介入によりその図式が崩れた以上、女王がどう動くか分からなくなった。 横やりを防ぐ意味でも、逃亡を防ぐ意味でも、戦術的に足止めは必要だ。 女王に余計な意識を裂かなくて済む分、ゾンビを相手にする茶子としてもやりやすい。 「…………分かった」 哉太はその方針を受け入れる。 茶子の判断がこの場における最良の判断なのは疑いようがない。 先ほどの特殊部隊のような突出したゾンビがいない限りは茶子が後れを取るような事はないだろう。 女王の抑えが必要なのも納得ができる。 だが、ここを茶子に任せるという事は茶子の殺しを容認する事だ。 ゾンビとなったとはいえ相手は同じ山折村の村人だ。 自分の手を汚さないために、大切な人が手を汚すことを容認していいのか? そんな疑問が哉太の脳裏をよぎる。 「哉くん。ちゃんと女王を殺せるわよね?」 珠と同じ顔をした相手を殺せるのか? その迷いを見透かすように、確認するように問う。 茶子は哉太に不必要な殺しはしないとあのマイクロバスで約束をした。 逆に言えば、必要な殺しは存在するという事である。 茶子にとって立ち塞がるゾンビどもを切り殺すのは必要な事である。 女王を殺す為に。 女王の殺害はウイルスに侵された感染者にとって、引いては世界に感染拡大を防ぐために必要な殺しだ。 ここで日和るようでは話にならない。 「――――戦える。そのためにここに来たんだ」 殺すのではなく戦う、とそう答える。 誤魔化しではなく、哉太はそのために来た。 「……ま、いいわ。そっちは任せる。こっちもすぐに終わらせるから、最低限それまでは持たせて」 その回答に、完全に納得した訳ではないだろうが、ひとまずは良しとしたのか。 茶子はようやく動くようになってきた右手で刃についた脂を拭って空を切る様に刀を払う。 「それじゃあ――――行って」 「了解、背中は任せた――――!」 言って、女王に向かって哉太が駆ける。 すれ違いざまに『抜き風』で目の前に立ちふさがる最低限の相手の足元を切りつけながら、間に挟まるゾンビの包囲網を強引に突破する。 それに反応した周囲のゾンビたちが瞬時に哉太に群がるが、その背に襲い来るゾンビたちに向かって剣が舞った。 哉太は振り返らず、必ず守ってくれると信じて背後を気にせず駆け抜けてゆく。 「よぅ――――――仕切り直しだ。ゾンビども、さっきまでと同じと思うな」 ゾンビたちを切り捨てた茶子が刃に付いた血を払う。 渦巻くゾンビの中心に躍り出て、ザッザと確かめるように右足で地面を堀りながら刀を構える。 継ぎはぎだらけの心は新たに糧を得て修復される。 100人切りで磨かれた技の冴えはそのままに、愛憎が気力となって体に満ちる 思い出された心的外傷は彼女を突き動かす原動力。 殺すべきを殺さねばならない。その決意を新たにする。 受けた恥辱は必ず返す復讐の虎は殺意を漲らせる。 「次の予定が詰まってんだ――――秒で終わらせる」 ■ 立ち塞がるゾンビの壁を越え、少年は草原を駆け抜ける。 心臓が高鳴るのは運動による影響だけではないだろう。 少年の向かう先には、一人の少女が待っている。 「やぁ。よく来たね」 何気ない様子で、待ち人が来たかのように微笑む。 哉太は足を止めると、僅かに乱れた息と鼓動を抑え、少女の前に立つ。 月明りに照らされる少女の姿は美しく、どこか神々しさすら感じられた。 「珠ちゃんを返してもらう」 「またそれか。まったく誰も彼もがこの体を気にかけるのだな」 呆れたように日野珠の姿をした[HE-028-Z]は首を振る。 彼女こそがウイルスを統べる女王。 全ての始まりにして終焉となる女。 「ゾンビをけしかけているのはアンタなのか?」 「そうなるかな」 「やめさせてくれ」 「それは難しい、虎尾茶子は私を殺そうとしているからね」 自衛のための殺し。 今、ゾンビ相手に茶子たちが行っている事と同じだ。 哉太たちがこの村で行ってきた事だって引いてはそう言う事だろう。 その行いは生物である以上、肯定されなければならない。 「お前はどうだ? 八柳哉太。お前も私を殺しに来たのか? それともの山折圭介ように日野珠を殺せないとでもいうつもりか?」 目の前に立つ哉太の覚悟を嘲笑うようにくつくつと笑う。 哉太は嘲笑に表情を変えることなく、真剣な表情で答える。 「確かに、お前の言う通りだ。俺は珠ちゃんを殺したくない」 大切な妹分を、出来るなら殺したくはない。 全人類が天秤にかかっている以上、比べようもないだろうが、それは嘘のつきようがない本当の気持ちだ。 「だけど、それだけじゃない」 哉太は続ける。 「俺はお前も殺したくないんだ、女王」 「…………ほぅ?」 ウイルスの活動を止める。 それを、病気を治すのと同じようなものだと考えていた。 そこに奪われる命があるだなんて、考えてすらいなかった。 感染者の命さえ救われればそれでいいと思っていた。 だが、こうして女王と直接、言葉を交わして相手が意思を持ったひとつの命だと感じられた。 だからこそ、できるのであれば平和的に終わらせたい。 多くの犠牲を出してもう手遅れだとしても、手遅れだからこそ、そうしたい。 「私を殺さずどうするというのかね?」 「お前が本当にウイルスを従える女王だってんなら、お前の力で事態を収めることもできるんじゃないのか?」 [HEウイルス]を統べる女王の力をもってすれば、事態を解決できるのではないか。 哉太の考えは、自分自身ではどうしようもない事を理解した丸投げである。 他人任せどころか、元凶である相手頼みの解決策だ。 女王が止めようがないほどの力を付けたからこそ解決できる望みが繋がる。 平和的に解決するにはこれしかないと言う理想論。 この解決策を実行するには女王が応じる必要がある 「…………そう来るか。なるほど言葉は『観えぬ』ものだな」 多くの感染者に協力を呼び掛けてきた女王だが。 まさか自分が協力を呼び掛けられる側になるとは考えてもいなかったようだ。 女王は僅かに驚いたような表情を見せ、僅かに眉をひそめながら視線を遠くにやり考え込むような仕草を見せた。 「我が戦鬼は山折圭介を殺している。それに私も犬山うさぎも殺しているぞ? それでも私の手を取りたいと?」 「……何もかもがいいという訳じゃないさ。けれど、お前が本当に自衛のためやった事だというのなら俺はその行為をこれ以上責めるつもりはない。 だから、お前がこちらと争う気がないのだとしたら、手遅れという事はないはずだ」 圭介やうさぎを殺した相手だ、もちろん思う所はある。 それが、悪意を持って行われた所業であれば許すことなどできるはずもない。 だが、それが生きるための行為だったのであれば戦場に罪科は問えない。 哉太は茶子の行いもそうだろう。 鉛のように重くとも、それは飲み込むべきだ。吐き出してはならない。 それが、ここから先の未来を諦める理由にはなってはならないのだから。 だからこそ、知らねばらない。 相手がどういう考えを持った人間、いや細菌か。 ともかく、言葉を交わし相手を知らねば斬ることなど哉太はできない。 「甘いな。だが気に入った」 女王は上機嫌そうに笑みを作る。 珠らしからぬ支配者の笑顔に、哉太は悲しそうに目を細めた。 「確かに、私の力をもってすれば貴様の望む結末を用意することも不可能ではない」 第二段階に至った今の女王は活殺自在だ。 [HEウイルス]に対して絶対的な命令権を持つ女王であればその活動も自在に制御できるだろう。 女王にはそれだけの権限と力を持つ。 「なら…………ッ」 「――だが、それは私の目的に反する。 私の目的は同族たちの繁栄だ。それを自らの手で止めるなどという判断はあり得ないのだよ」 人間への被害を減らすという人間側である哉太の願いは、すなわちウイルスの感染拡大を停止して繁栄を止めるという事だ。 それは受け入れられるはずもない。 「[HEウイルス]の感染拡大は続ける。これは絶対だ。と言うより――――もう実行済みだ」 「なに………………?」 その告白に哉太の目が驚愕に見開かれる。 「村の外に新たに59の女王を生み出している。感染拡大は既に始まっているだろう。 この流れは私が死のうが止まらない。感染の繁栄は既定事項だ」 既に村外への感染拡大始まっている。 それは感染拡大を防ぐためのこれまでの戦いが無に帰したことを意味している。 「だが、君が望むのならば条件を付けてやってもいい」 女王は言葉を続ける。 哉太を誘い、勧誘を返すように。 「全てとはいかないが、君が望む人間を正常感染者にしてやってもいい。 人間と[HEウイルス]の共存した君ら正常感染者は我々の理想の落としどころだろう?」 [HEウイルス]の適合は感染者の体質ではなくウイルス側が選択権を持つ。 [HEウイルス]に対する命令権を持つ女王であれば、誰が正常感染者となるかの取捨選択も可能だ。 世界中の人間の生殺与奪を握る神に等しい権利、女王はその選択権を哉太に提示する。 「だめだ、そんな要求には従えない」 だが、一瞬の逡巡もなく哉太は即答する。 「何故だ?」 「俺は救う人間を選ぶような真似はできない」 人は神にはなれない。 人にできるのはその小さな手の届く範囲に手を指し伸ばす事だけだ。 命の取捨択一などやってはならない事だ。 「何より、それじゃあこの山折村で起きたことが別の場所でも起こるだけだ」 数名だけ救ったところで意味はない。 この村を襲った悲劇が各地で繰り返される。 それでは何の意味もない。 「当然だろう。それが目的なのだから。私は山折村を作りたいのさ。私と言う進化の土台を作り上げたこの山折村をね」 自らを生み出し利用した研究所への意趣返し。 世界の支配者を決める女王なりの人間への宣戦布告だ。 哉太は悔しそうに拳を握り絞める。 女王の主張が理解できなかったわけではない。 女王の主張が理解できてしまったのだ。 女王の価値観はあくまでウイルスファースト。 ウイルスの女王としては正しい、正しいが故に人とは相いれない。 人と細菌。 互いに言葉を交わすことが出来ても価値観の違いを浮き彫りしただけだ。 得られたのは、決して分かり合えないという結論だけだ。 「分かり合えないんだな」 「そのようだな、残念だ」 哉太が刀を構える。 それを見て、女王も静かに木刀を構えた。 互いに二刀。合わせ鏡のように構える。 事ここに至ってはもはや是非もなし。 哉太は『女王』を殺す覚悟を決めた。 女王が細菌の繁栄を望むように、哉太は人の存続を願う。 互いに譲れぬ一線が衝突するのであれば、武力をもってことを成す他ない。 女王が扱うは蘇生した聖剣の魂により作り上げた二振りの聖木刀ランファルト。 木刀二刀を持つ限り使い手を剣の達人とする『林流二刀剣術』、あらゆる刃物を使い熟す『神技一刀』。 飛行の術式を剥奪され、女王は地上戦を余儀なくされたが、女王の力をもって引き出した異能の力がある。 これに対するは『八柳新陰流』。哉太の祖父八柳藤次郎を開祖とする対ヤクザを想定した実践剣術。 皆伝に至らぬ未熟の身なれど、八柳新陰流の理念に基づく実戦にて磨かれた技にて女王に対する。 手には宝聖剣の遺志を継ぐ折れた魔聖剣、そして始祖なる巫女の血により生み出された赤き聖刀神楽の二振り。 暗黒の野に静寂が落ちる。 風が凪ぎ、月が雲に隠れ、闇が世界を覆った。 互いの剣気が乾いた空気を張り詰めさせている。 風が吹き草原が波立ち、雲が流れた。 次に月が世界を照らす頃には、既に勝負は始まっていた。 先に動いたのは女王である。 足音も立てず暗黒を駆ける女王。 『暗視』による夜目を生かして、暗闇の中で先手を取った。 振るわれる聖木刀。 二つの異能を乗せた斬撃は余りも鋭く的確で速い。正しく達人の一撃である。 常人であれば暗闇の中、放たれたことに気づくことすらできずに切り捨てられていただろう。 この一撃を、哉太は事も無げに防いだ。 折れた魔聖剣で聖木刀を防ぐと同時に、哉太の右手が奔り赤い閃光が女王を襲う。 だが、女王もまた慌てることなく逆手のもう一振りの聖木刀で払いのけた。 瞬きの間に互いの攻と防が衝突する。 二刀流の利点は手数だ。 攻と防を同時で行え、戻りの隙を逆手の武器で封じられる。 絶え間なき連撃こそが二刀の真骨頂と言えるだろう。 故に必然、二刀流同士の戦いは常に攻防一体となる。 敵の攻撃を見極め防ぐ。敵の隙を見逃さず攻める。 これを隙間なく同時に繰り返す一息の余裕すらない絶え間なき剣の嵐。 一手誤った方が負ける、神経をすり減らす戦いである。 「――――――シッ!」 その打ち合いが30合を超えた所で、女王が仕掛けた。 力任せに叩きつけるように聖木刀を打ち付ける。 技で掻い潜る柔ではなく、防いだところで防御ごと持っていく剛の一撃。 二刀の欠点は軽さだ。 片手であるため両手持ちよりも一撃が軽く、肉は切れても骨は切れない。 だが、その欠点は女王には適応されない。 異能で『剛躯』により引き上げた膂力は片腕でも肉と骨を絶てる。 叩き付けた一撃は防御ごと相手を押し切るだろう。 「うぉぉぉおおおおおお!」 だが、哉太は怯まず押し返す。 哉太は『剛躯』に真正面から力で対抗する。 折れた魔聖剣は刀としては不完全な状態にあるが、内蔵された魔力は健在である。 魔聖剣は哉太を使い手として認めたのか、哉太の体に魔力は通り身体が強化されていた。 そして、押し返すように大きく刃をはじいた。 打ち合いが途切れ、間合いが僅かに開く。 一瞬の間。 それを好機と見た女王が動く。 自ら攻防同時のリズムを崩したのだ。 防御を捨て二刀を攻撃に回す。 聖木刀を合わせるように赤い刃に叩き付ける。 狙うは武器破壊。 魔聖剣をへし折ったように、聖刀神楽を折りにかかった。 だが、哉太は武器破壊を狙ってきた相手の一撃を、柳の如き手首の返しで軽くいなした。 八柳新陰流『空蝉』。 武器破壊など互いの技量に大きな差がない限りは狙って出来るものではない。 「ほっ。やるな。山折圭介のようにはいかぬか」 「馬鹿にするな。圭ちゃんは俺より強かったよ」 圭介も八柳流の心得はあったが、達人の域まで至ってはいなかった。 様々な強敵を超えてきた今の哉太は既に達人の域を超えている。 女王がスキルで得た技量に哉太は純粋な技量によって肉薄していた。 「どこが?」 「心が」 心の強さ。 技量も力量も互角。 勝負を分けるとするならば、それは精神だろう。 哉太は乱れることなく平常心を保っている。 全てが決する決戦に至って気負いもなく、かと言って臆するでもなく戦士として理想的な精神状態を保っていた。 それはきっと、託された多くの想いがこの刃に乗っているからだろう。 対する女王も余裕を保っている。 女王はまだ底を見せていない。 女王が保っているのは哉太とはまた違う種類の遊んでいるような余裕である。 実際、世界を自在にできる女王からすればこんな勝負は遊びでしかないのだろう。 これは明確な油断であり、女王の隙である。 だが、余りに強力な女王に対して、その隙を突ける者など存在しなかった。 これまでだってそうだ。 聖魔剣を操る山折圭介。 隠山祈を身に宿した神楽春姫。 高魔力体質を持ち運命から逃れた天宝寺アニカ。 十二の神獣を操る召喚者、犬山うさぎ。 誰もが女王には届かずその命を散らした。 この山折村において女王は絶対的な強者として君臨している。 「やっぱりお前は女王だよ。戦う者じゃない――――」 だが、哉太はその事実を否定する。 細菌の世を望む女王の展望と実行力は確かに恐ろしい。 だがそれは人間と相容れぬ、人外の為政者としての恐ろしさだ。 戦闘者としては戦鬼の方がまだ恐ろしかった。 これまで女王と対峙してきた者たちは村長や巫女であり戦士ではない。 彼らに対しては優位に立ち回れたかもしれない。 だが技術や能力は取り込んだ力で補えても、生まれたばかりの女王には積み重ねた経験がない。 全力を出したうえで余裕と切り札を持つのと、全力を出さない事は違う。 女王は根本的なところでその戦闘の機微、勝負所を理解できていない。 哉太が動く。 地を這う狼が如く疾走する、八柳新陰流『這い狼』の動き。 それを女王は『暗視』にて捉え、『林流二刀剣術』による達人の業にて対応する。 一刀にて『這い狼』を防ぎ、一刀にて地を這う相手を串刺す構えだ。 だが、地を這う哉太の動きが変わる。 僅かに疾走の軌道を変えると、身を捩じるように大地を蹴った。 それは剛力魔人、気喪杉を相手に見せた曲芸『捩り風』の動きである。 しかし、女王はその動きもしっかりと捉えていた。 逸れた軌道に合わせ『神技一刀』による聖木刀を振り下ろす。 哉太は身を捻りながらその一撃を受ける。 そこから二刀『朧蟷螂』に繋げる、それこそが曲芸『捩り風』の真骨頂。 女王もそう読み切り、一刀を防御に置いていた。 だが、哉太の動きはここからが違った。 攻撃を捨てるように、女王の斬撃を二刀によって受けとめたのだ。 二刀が敵の刃を咢が如く挟み込むと、そのまま身を捩じる哉太の体が加速する。 それは獲物に噛みついた肉を噛みちぎる肉食獣の如く。 挟み込まれた聖木刀が破壊された。 敵の刃を咢が如く挟み込み破壊する。 曲芸でしかなかった『捩り風』を奥義の域に引き上げ完成させた。 その技の銘は―――――八柳新陰流・二刀奥義『狗咬み』 それは無力化を目的とした奥義である。 殺人剣を目指した祖父である藤次郎とは違う、哉太の至った活人剣の境地。 武器破壊は技量に大きな差がない限りは狙って出来るものではない。 つまり、女王と哉太の技量には大きな差あるという事。 異能『林流二刀剣術』は達人の剣を手にできる。 だが逆に言えば、至れるのは達人の域までだ。 達人の先にある剣鬼や剣聖の域に至れば、それを凌駕する事は難しくない。 隠山祈に復活させられた際に、一度『剣聖』の域を体験したからだろう。 ゾンビとなり記憶はなくとも、体が覚えている。 その体感をなぞる様に哉太の技量は達人の域を超え、剣聖の域まで片足を踏み込んでいた。 聖木刀を破壊した哉太は女王の脇をすり抜け背後に回り込んだ。 すぐさま体勢を立て直し、女王へと振り返る。 更に一歩。間合いに踏み込む。 女王も同じく、破壊された聖木刀を投げ捨て彼方へと振り返った。 向かい来る哉太に向かって、一刀となった聖木刀を振り下ろす。 だが、『林流二刀剣術』の効果は二刀でなければ発揮されず、狙いも足運びも素人のそれ。 『神技一刀』振るう刃の鋭さはあれど女王の剣の技量は地に落ちた。 剣聖相手には届かず、振り下ろされた一刀は折れた魔聖剣に絡め取られる。 八柳新陰流『朧蟷螂』。逆手の赤い刃が女王の首を完全に捕らえた。 だが、その刃が首筋で止まる。 女王が何かした訳ではない、哉太に生じた一瞬の躊躇い。 それこそが女王の湛える余裕の源泉。その運命が女王には観えていた。 確かに哉太は『女王』を殺す覚悟を決めた。 たが、日野珠を殺す覚悟までは完全には出来ていなかった。 故にこそ、女王にとってこれは殺し合いではなくお遊びに過ぎなかった。 「チャンバラごっこお前の勝ちだ。満足して死ね」 女王の宣告。 女王の背後に黒曜石の槍が展開される。 一息に数え切れぬほどその数は夜空に瞬く綺羅星の如く。 飛行を封じられたとはいえ、女王には『魔王』の力が残っている。 そもそも、これまでの戦いは魔法を縛って剣士の領分に付き合っていただけなのだ。 だからこそ、不利になろうと余裕があった。 女王が手を振り下ろす。 号令一下。鋭く尖った黒曜石が豪雨の如く降り注いだ。 哉太も咄嗟に身を引くが、その数と速度に圧倒され避けることができなかった。 その鋭い先端が皮膚を突き破り臓腑を穿つ。 槍は次々と哉太の体を貫き、哉太の全身が串刺しにされて行いった。 「流石だな。ここまで生き残っているだけの事はある。即死しなければ回復できると踏んだか、自分の異能をよく理解している」 哉太は全身をなげうってでも脳と心臓を守り即死だけは避けた。 痛みと血の匂いが草原を満たし、少年は絶望の中で息を整えようとした。 だが、その全身は杭に打ち付けられたように突き刺されておりピクリとも動かない。 地面に磔となり動くことすらできない哉太を標本でも見つめるような女王の冷酷な笑みが見下ろす。 「安心しろ。殺しはせん。少なくともお前はな」 言って磔になった哉太に近づく。 すると、哉太の胸ポケットが僅かに動いた。 そこから這い出てきたのは血濡れになった山ネズミだった。 「やはりな。余計な真似をしていたのはお前だったか」 忌々しそうにそう言って、女王はパチンと指を鳴らす。 現れた黒曜石の刃が山ネズミを串刺しにした。 「さて。これでもう余計な邪魔はなくなったわけだ。 ―――――さあ、共存しようではないか八柳哉太」 地面に張り付けになった哉太の頭に女王の白く細い指先がそっと伸びる。 何をするつもりなのか、避けようのない状況でゆっくりと迫るその指を哉太は朦朧とした目で見つめていた。 だが、その指先が額に触れたところで、ピタリとその動きを止める。 女王が何かに気づいたように顔を上げる。 女王の全身にビリビリとしびれるような感覚があった。 空気が張り詰め、周囲の気温が僅かに下がったようにすら感じられる。 知っている。 これは、殺意だ。 「―――――――――殺す」 ザッと草を踏む足音。 そこに居たのは全身を真っ赤な血で染めた一匹の獣。 バケツで被ったような血濡れ姿で肉食獣の様な嘶きと共に殺意をまき散らす。 立ちふさがる100のゾンビを、愛する者、憎む者を一人の例外もなく殺しつくした。 差別なく、区別なく、平等に、皆殺しにした愛憎の虎。 「ハハッ。恐ろしいなぁ、虎尾茶子」 最強の守護者たる戦鬼は倒れ。100のゾンビは全滅した。 この村にもはや女王を守護するゾンビは1人たりとも残ってはいない。 「……哉くんから離れろ」 「いいとも」 女王はあっさりとした態度で伸ばしていた指を引き、哉太から身を放す。 そして数歩離れたところでパチンと指を鳴らした。 哉太を串刺しにしていた黒曜石の槍が塵のように風に流され消える。 余りにも簡単すぎる開放。 その態度を不審に思うが、ひとまず茶子が哉太に駆け寄る。 「大丈夫!? 哉くん!?」 「っく…………ぁ」 全身が穴だらけになった哉太が痛みに喘ぐ。 穴だらけになった全身の傷は常人であればショック死していてもおかしくはない。 だが、哉太の異能は彼を生かす。傷口は目に見えるほどの速度で回復していく。 即死でない限り生存する哉太の異能。 茶子はひとまず胸をなでおろし、改めて女王へと向き直る。 「やってくれたなバイ菌女。殺すぞ」 哉太と違い茶子の中に甘さなど欠片も存在しない。 一片の容赦なく女王の首を切り落とすだろう。 容赦もなく情緒もなく、放たれるは地を滑る一刀『虎滑り』。 対する女王は聖木刀を構えるでも、魔法を展開するでもなく不動のまま。 達人ではない女王では反応すらできていなかった。 構える隙すら与えず首を落とす。 血で磨き抜かれた虎尾流は、それを可能とする領域まで研ぎ澄まされていた。 女王を斬首する、その確信を得た一撃はしかし。 刃の衝突する甲高い音によって防がれた。 降りぬかれた一刀を横から割り込んだ二刀が防ぐ。 弾かれた衝撃で茶子の体が後方に後退った。 「…………そんな…………」 何が起きたのか。 それを理解した茶子が恐怖で顔を引きつらせながら、いやいやをするように首を振り茶子が後退った。 絶望が立っている。 立ちふさがるのは彼女にとっての最悪の敵。 二刀を構える八柳哉太の姿があった。 立ち上がった哉太は既に全身の穴は完全に修復されていた。 異能にしても傷の治りがあまりにも速すぎる。 「さあ私を守護せよ。私の騎士」 女王は張り付けになった哉太の頭部に触れて脳内の[HEウイルス]に直接働きかけた。 女王(わたし)を守護せよと、ウイルス自身の生存本能に任せるのではなく、明確な意思をもって眷属化を加速させた。 魔王由来の力に抵抗できる『高魔力体質』を持つアニカ。 精神攻撃を跳ね返す『虎の心(リベンジ・ザ・タイガー)』を持つ茶子。 彼女たちと違って哉太の異能はそういった耐性を持たない。 女王が近接戦に付き合ったのはそういった理由もある。 眷属化を加速させるために距離を詰めたのだ。 その影響を押さえていたのが山ネズミだったのだが、それも女王に見抜かれ排除された。 女王の後押しによりその回復力は極限にまで高まっていた。 ある意味でゾンビよりもゾンビらしい不死の騎士。 思考力を奪われるゾンビ化とは違う。 変わったのは、女王を守護るという絶対意志が全てに優先される思考の方向性。 脳を破壊され理性を失ってた大田原とは違う。 元の人格を保ったまま行動原理だけが異なる八柳哉太として、女王を守護する騎士のように八柳哉太が立ち塞がる。 「女王は殺させないよ、茶子姉」 ■ 「何だ、何がどうなってる…………っ!?」 ようやく決戦の地に辿りついた天原創が困惑の声を上げた。 駆け付けた創がそこで見た物は、積み重ねたゾンビたちの死体の山。 そして辺り一面転がる死の中心で、衝突する八柳流の龍虎の姿だった。 その光景は仲間割れにしても異様である。 正義感の強い哉太が攻め込み、過激な思考をしていた茶子が防戦一方となっている。 創の印象からして立場が逆だ。 「おや、君も来たのか天原創。役者が揃ってきたかな?」 「ッ!?」 哉太たちを静止しようとしていた創が、その声に弾かれたように向き直る。 目の前で殺し合う仲間を止めるよりも優先すべき事項が現れた。 この状況における最重要人物にして最終目標。 創が出迎えるように現れた少女の正体を告げる。 「女王――――――」 「おや、珠ちゃんとは呼んでくれないのかい?」 そう言って笑う。 太陽を含んだひまわりのようだった日野珠とは似ても似つかぬ毒を含んだスズランの笑顔で。 彼女がそうであることは情報として知っていたが、目の当たりにすると知らず拳に力が入ってしまう。 潜入に来たこの山折の地で共に机を並べ学びあったクラスメイト。 転校生である創を気にかけてくれた少女。 その少女の体がいいように使われているのは得も言われぬ不快感がある。 「彼らに何をした」 創は努めて冷静さを保ちながら、背後で刃を合わせ火花を散らす姉弟弟子について問う。 「何もしていないさ。彼が私を守護しようとしてくれているだけだよ」 「――洗脳能力」 アニカから聞いた声を響かす洗脳能力。 その指摘を受けた女王は心外だと言った風に肩を竦める。 「人聞きが悪いな、君にも聞こえているだろう? 声が。 これは私を守護しようという彼らの自主的な善意だよ」 彼らとは哉太や創を指しているのではないのだろう。 細菌の女王らしく、正常感染者の頭の中にいる[HEウイルス]たちを個として扱っていた。 ウイルスたちは女王を守護るべく、己が感染者の行動原理を歪めている。 その言葉の通り、創の頭の中にも声が響いていた。 だが異能を無効化する右手の影響か、響く声は小さなものだ。 創の精神力であれば抗うのに問題ないだろう。 「その右手か。厄介な力だ」 言って、無造作に女王が黒曜石の槍を放つ。 下手な狙撃銃よりも貫通力を持つ殺傷兵器は、創が払うように振るった腕に触れただけで簡単に霧散した。 これは互いにとって殺し合いにも満たぬただの確認作業。 粉のようになった黒い魔力の粒子が風に流れる。 「『魔王殺し』。魔王を殺した君の力を私は最も警戒していた」 異能を否定する異能『細菌殺し』。 進化を遂げた今となっては、魔王を否定する『魔王殺し』の異能である。 世界を滅ぼす異界の『魔王』の力に対し。 あらゆる魔法を弾く高魔力体質は防御に特化していたが。 触れた細菌と魔王の力を問答無用で否定する創の異能はより攻撃的である。 細菌であり魔王の力を取り込んだ女王の天敵ともいえるだろう。 「故に、君に相応しい相手を用意することにした――――!」 そう言って、舞台で踊る大女優のように女王は両手を広げた。 「さぁ……全ての魂よッ! 目覚めるがいいッ!!」 女王の呼び声。 それはまるで世界そのものに向けて呼びかけているかのような声であった。 その声に応えるように世界が歪み始める。 「なん、だ…………ッ!?」 思わず創が戸惑いの声を上げる、巻き起こるのはとびっきりの異変だ。 変化はこの場に留まらず、村のいたる所からからあった。 光のない夜を照らすように淡い光が村のあちこちから浮かび上がり始めたのである。 あるいは、それは巣食うものが食い散らかした病院の方向から。 あるいは、沙門天二が無双を続けた木更津事務所の周囲から。 あるいは、気喪杉禿夫が暴れまわった住宅街の一部から。 あるいは、八柳藤次郎が住民を殺しまわった古民家群の辺りから。 そして、虎尾茶子がゾンビを斬り殺した今この場所からも。 光を放つのは死体だ。 周囲にあるゾンビたちの死体で出来た運河からも、淡い光が浮かび上がっている。 グロテスクな死体の海から浮かび上がる美しき光の海。まるで地を流れる天の川のよう。 それは死霊術によって蘇りし魂、尊き命の輝きである。 ――――死霊術。 『魔王』の操る死者の魂を疑似的に蘇らせる命を弄ぶ外法である。 肉体と言う枷から解き放たれた1000人の死者と、それに取り付いた[HEウイルス]たちの魂が死霊術によって一時的に蘇った。 美しさと悍ましさが入り混じる。 生命を冒涜する光が幾つもの浮かび上がり夜の地上を輝かせていた。 ■ 「what's happening!?」 アニカは空を見上げながら、驚愕と戸惑いの声を漏らしていた。 創を見送ったアニカは願望機の探索を続けていた。 時刻はすっかり深夜に入り、彼女の進む道筋を星が照らす。 地の光がないためか、都会では考えられないほど満天の星が輝いている。 地上の地獄など忘れてしまいそうになる程の美しい空だった。 だが、それを塗りつぶすような光の束が唐突に村中に出現したのだ。 その光の奔流がどこか一点に向かって流れてゆく。 まるで地上を流れる流星群である。 アニカは異様な空を見上げる。 明らかにまともな現象ではない。 何か異常な事態が起きている。 「………………?」 だが、アニカは見上げる空に一つの違和感を覚えた。 まともなことなど一つもない、異常だらけの空に違和感を見出す。 それは輝く一等星。 流星群の中に一つだけ動かない星がある。 星が動かないのは当たり前の事だが、遥か宇宙の先にある本物の星とは違う。 何故なら、その星は流星群より低い位置にある。 なにより、あんな星をアニカは知らない。 星に詳しいわけではないが21の一等星くらいは把握している。 その中で、あんな位置にある星は存在しないはずだ。 夜空に瞬く星座はそう簡単に変わるものではない。 Z計画の発端となった超新星爆発の影響かとも思ったがそうではないだろう。 知らない星が山折村を照らしている。 その事実に全身が総毛立つ。 「―――――――Starじゃない」 失せ物探しに役立つだろうと、創に譲渡された双眼鏡で確認する。 双眼鏡のレンズ越しに、夜空を見上げた。 流星の光に紛れ見えづらくなっているその星の正体が移る。 それは、星ではない。 遥か宙に浮かぶ『願望機』だった。 女王の体から夜空に打ち上げられた願望機は地上に落下することなく夜の空に留まり地上を照らしていた。 そして綺羅星のように地上を明るく照らす一助となっていたのだ。 最大の懸念である『願望機』は発見できた。 発見できたが。 「………………どうやってcatchすればいいの?」 本物の星より近いと言えども、願い星は手の届かぬ遥か上空にありて。 小さな人の身を嘲笑うようにキラキラと輝いていた。 ■ 「魂たちよ、集え! 女王の下に――――――!!」 女王は高らかに叫び、手を空に向けて広げる。 女王の呼び声に応じて、村のあちこちに浮かぶ光の粒が一つの大きな流れとなって集まり始めた。 魂たちはそれぞれの場所から解き放たれ、まるで誘われるように空を舞い、共鳴し合うように一つの場所へと収束していく。 次第に一つの流れとなるその光は、美しき流星群だ。 女王の掲げる手の上に星々が集まり一つの銀河を形成するかのように輝きながら、その周囲を渦巻くように回転し始めた。 まるで彼女自身が中心に位置する銀河のよう。 その光の渦は次第に速度を増し、輝きも一層増して行く。 「……ふむ。村の全員と言うには少し足りないようだ。まあいい。君をすり潰すには十分だろう」 集合した魂を見つめながら女王はごちる。 女王が操れるのは復活させた純粋なる魂。 既に厄へと落ちた魂は『イヌヤマイノリ』の力が失われたため操作はできない。 それ以外にも1割ほど足りない、別の理由でどこかに持っていかれている。 「混じり合い一つになるのだッ! 山折村の魂たちよ!」 集まり始めた魂に女王が命じる。 第二段階に至った女王は『魂を繋ぐ力』を得た。 それは魂の操作と融合を可能とする力。 魂の融合は全ての魂が混在する『Zの世界』の試運転としても有用なはずである。 何より、出来るようになったのだから試してみるべきだ。 かき集めた魂を粘土のようにこね合わせる。 個々の魂は次第にその輪郭を失い、一つの巨大な光の球体へと変貌されてる。 まるで地上に浮かぶもう一つの月のようだ。 天の光が見えなくなるほど、地の光は輝き始める。 その光は次第に凝縮され、徐々に球体から形を変え始める。 まるで光の胎盤から生れ落ちるようにそれは誕生した。 ――――――巨人。 生まれたのは、そう表現するしかない周囲の山々にも負けぬ大きさの人型だった。 「なんだ……これは……?」 創の声が震えた。 目の前に立ちふさがる巨人はただの敵ではない。 『魔王』の操る『死霊術』と『女王』の操る『魂を繋ぐ力』。 その組み合わせによって村の全ての魂が融合し一つの存在となった山折村そのものと言っていい存在だ。 巨人の身体はまるで光の粒でできた彫像のように美しく、その内側には無数の魂たちが共鳴し合う光の流れが見える。 異能ではなく魂の塊である以上、創の異能を持っても打ち消すことはできないだろう。 光の巨人が一歩踏み出す。 それだけで地震のように大地が揺れた。 1000の魂を一つとした、国造りの妖怪ダイダラボッチを思わせる超物量。 その巨大な手を振り下ろすだけで、人間など一撃でミンチにできるだろう。 最大にして最強の番人。 誰がどう見ても、もはや人間にどうこうできる次元の相手ではない。 だからと言って、逃げるわけにもいかない。 創はその巨大な存在感と圧倒的を前に立ち向かう覚悟を決める。 どう立ち向かうべきか、答えを見つけなければならなかった。 その勇気をあざ笑うかのように、女王が高らかに宣言する。 「さあ―――――この村最後の戦いを始めようじゃないか」 131.遍くデストルドー 投下順で読む 133.Z ―望み願い祈る― 時系列順で読む 遍くデストルドー 日野 珠 Z ―望み願い祈る― 八柳 哉太 天宝寺 アニカ 彼女たちのささやきが聴こえる 虎尾 茶子 天原 創 机上の最適解 乃木平 天 真田・H・宗太郎 ミーティング『Z』 奥津 一真 終里 元 梁木 百乃介 長谷川 真琴
https://w.atwiki.jp/ledpj/pages/76.html
Acer K130 ■公式サイト(……かな。たぶん) http //support.acer.com/us/en/acerpanam/projector/2012/Acer/K130/K130nv.shtml ■スペック 輝度 300lm ネイティブ解像度 1280 x 800 コントラスト比 10000 1 パネルタイプ DLP 画面サイズ 17~100インチ 投射距離 0.6~3.2m アスペクト比 16 9、4 3 騒音レベル 高輝度 35dB 通常 33dB エコ 29dB 消費電力 通常 120W/59W(実測値) エコ ?W/39W(実測値) 台形補正 ±40度(垂直のみ) 天吊り 可能 本体サイズ 140(W) x 41(H) x 160(D) mm 本体重量 約 430 g ■長所 デジタルズーム有り(1.7x) ■短所 ■その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/srwz2nd/pages/203.html
パイロットデータ - 機体データ - ユニット運用 - パイロット育成 ※こちらはガンダム系ユニット(Z/逆襲のシャア/∀)の機体の特徴と運用に関するページです。 ※乗り換えが可能なため、個々のパイロットの育成に関するページは別に用意されています。 エースボーナス 機動戦士ZガンダムZガンダム 百式 メタス 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアνガンダム ∀ガンダム∀ガンダム スモー エースボーナス 6人のMS系パイロット同士で乗り換え可能。 パイロット名 エースボーナス カミーユ・ビダン クリティカル率+20%、反撃時の与ダメージ1.2倍 高レベルNT。魂を覚えるので、火力は6人中最大 アムロ・レイ ガンダムと名のつく機体に搭乗している場合、運動性・照準値+10 高レベルNT。熱血がSP30で低燃費。ガンダムマイスターっぽいAB クワトロ・バジーナ 連続ターゲット補正無効 高レベルNT。NTで回避が上がり指揮官もある。ABと併せて前線向き ファ・ユイリィ 激励の消費SPが30になる SPが多く、激励 期待があるが熱血がない。純サポートキャラ ロラン・セアック 自軍フェイズ開始時SP5回復 SP回復スキル+ABで毎ターンSP15回復。魂があり、6人中唯一の幸運もち ハリー・オード 命中率・クリティカル率+15% 見切り ABで命中CRTが非常に高い。加速 狙撃で攻撃範囲が広い 機動戦士Zガンダム Zガンダム カスタムボーナス 特殊能力「バイオセンサー」を得る 特徴 最大射程では百式に劣るが、P武器が多く変形で足もある。機動力に優れた機体。ただし今作ではウェイブライダー突撃が無くなり、変形時は攻撃力が激減するので注意。 MS時は剣盾もあるため前線に出しても生存性は高い。 このグループ中最高威力のビームサーベル(ハイパー)とハイパー・メガ・ランチャーが魅力。どちらも射程が長く高威力。特にランチャーは必要気力無し・燃費そこそこで攻撃に援護に優秀な性能。 ビーム・サーベル(ハイパー)と特殊能力「バイオセンサー」に高いニュータイプ能力が必要。性能を十分引き出すならば、搭乗者は必然的にカミーユ、クワトロ、アムロの3人に絞られる。 運用 両方の形態で宇宙Sなので、パイロットのほうも宇宙適応を養成しておくと回避が補強される。盾があるのでブロッキングできるが、耐久力は高くないので運動性を改造して回避メインで行こう。 高威力な武器は全部EN制なので、Eセーブを覚えさせると継戦能力が上がる。 武器の性能を活かしたカミーユ単機特攻からの反撃戦法は強力。ハイパー・メガ・ランチャーの優秀さを活かし、ロランを乗せて援護砲台にするという手もある。 サイズ差補正無視はビーム・サーベル(ハイパー)のみである為、スキルで覚えておくとダメージを底上げできる。 百式 カスタムボーナス 「メガ・バズーカ・ランチャー(MAP)」が追加される 特徴 EN制と弾数制の高火力な武器が揃い、機体性能はZと同レベル。Zと比べると盾と変形がないのはマイナスだが、強化パーツは3個つけられる。 設定ではガンダムなのだが、名称にガンダムがないのでアムロのABは未対応。 運用 ENを使うのがサーベルと要気力のメガ・バズーカ・ランチャーだけのため、Bセーブの方を優先したい。同時にカートリッジを持たせると気兼ね無く戦える。 盾は無く低装甲なので運動性重視で改造。 カスタムボーナスで直線5マスのMAP兵器が追加され、ザコ殲滅をしやすくなる。連続行動やH Aがあると位置取りが楽。MAP兵器を活用するなら、「幸運」「てかげん」「気迫」「魂」とSP回復まで揃うロランが適任。 メタス カスタムボーナス 修理によるHP回復量が2倍になる 特徴 移動力が高く空を飛べるので、他の修理機体より迅速に修理を行えるのが利点。ただしその分耐久性で大きく劣るので被弾に注意。自己修理でのLVアップも防御面が無強化ではあまりに危険。 運用 パイロット固定でなく、乗り換えで強力な戦闘型パイロットでも修理Lv上げができるのが、ある意味メタス最大の能力。サブオーダーの資金調達はパイロットLvに応じて調達金額があがるため、使わないパイロットでもLv99にしておけば大きな資金源になる。 カスタムボーナスを取得すれば、パイロットに修理スキルがなくても十分な経験値が手に入る。ガンダム系全員Lv99にしたい人はぜひ改造しよう。 耐久性には期待できないので、できるだけ運動性を上げるか、強化パーツでの補強が必須。ほとんどENは使わないので、バリアとの相性は良い。 射撃武器の弾数が8発しかない。戦闘向きではないのでサポートでの運用に絞るべき。 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア νガンダム カスタムボーナス 特殊能力「サイコフレーム」を得る 特徴 最大火力はZや百式に劣るが、使いやすい武器に剣・盾・Iフィールドまで完備。 フィンファンネルは低必要気力・弾数制・長射程・バリア貫通 サイズ差無視と優秀。空Bという欠点もあるのでそこは補強しておきたい。使用条件はNTであることだけなので、ファでも使える。 カスタムボーナスの「サイコフレーム」は気力130以上で発動し、運動性・照準値+10、フィンファンネルの攻撃力+300となる。発動にニュータイプLv5が必要になるが、サイコフレーム込みなら最大火力は百式を超える。 参戦が遅い(38話・共通)のが悩ましいところである。 運用 運動性と武器を中心に、リアル系のテンプレートな強化と運用で良い。スタンダードな強さが光る。ビーム攻撃がほとんど無いので、Iフィールドに頼る機会はあまりない。 ENを使うのがビーム・サーベルだけなので、回避に不安がある時はバリア系パーツも有効。 フィンファンネルを最大限活用するために、カスタムボーナス・Bセーブ・カートリッジ等の手段が有効。地上MAPではフライトモジュールやアダプタもつけて補強しておきたい。フル改造ボーナスで空Sを選択するのも○。 ∀ガンダム ∀ガンダム カスタムボーナス 特殊能力「HP回復(中)」「EN回復(中)」を得る 特徴 Zやνとは逆に、陸Sなので、地上MAPの方が得意な機体。 今回は月光蝶が無いため火力はやや控えめになった代りに、ビームライフル(高出力)が追加され長射程にも対応したユニットになった。無消費の手刀、陸Sのガンダムハンマー、海Sのミリシャ一斉攻撃など個性的なP武器の豊富さも魅力。 盾・HP回復(小)を持ち、援護防御の価値が上がった今作では優秀な壁役にもなれる。 ボーナスが非常に優秀で、継戦能力が格段にアップする。メインで使うならやはりフル改造しておきたい。 運用 EN制と弾数制の武器を持つが、弾数が多くなく若干燃費が悪いので息切れが早い。セーブ系スキルか強化パーツでの補強をしたいところ。 カスタムボーナスがEN回復なので、フル改造をする場合はEセーブなしでもある程度賄える。 サイズ差補正無視の武器は2発しかなく空Bなので、スキルを取得して補っておきたい。 改造はリアル系のテンプレでOK。援護防御をさせるなら装甲とHPも少し上げておくと良い。援護目的でファを乗せるならブロッキングを覚えさせても良い。 スモー カスタムボーナス EN回復(小)がEN回復(中)に変更 特徴 IフィールドとEN回復、使いやすい武器が揃った良機体。空も飛べる。 決定打に欠けるが、援護で使うなら十分で継戦能力も高い。 運用 武器は全てP属性。射程が控えめなので、射程を伸ばしてやると非常に使いやすくなる。 闘争心があればMAP開幕から最強武器のIFバンカーが使えるので取得もあり。消費40と連発するには少し重いので、Eセーブが欲しい。 空も飛べ、他の乗り換え機体よりも装甲とHPは高め。ロランやファの援護防御を活かすなら、スモーか∀の2択だろう。
https://w.atwiki.jp/dish/pages/118.html
*k kは動詞の後につけると過去形になる。 使用例
https://w.atwiki.jp/mother-board/pages/15.html
Z97-PRO バックパネル 基本スペック メーカー ASUS チップセット Z97 フォームファクタ ATX メーカーページ http //www.asus.com/jp/Motherboards/Z97PRO/ 参考価格 ¥20000程度 価格コム最安情報 http //kakaku.com/item/K0000651180/ ASUSのROGマザーも3,000円で有り! “マザーボードジャンク市”が11日から - AKIBA PC Hotline! Windows 11で必須になった「TPM 2.0」って何?TPMの役割や確認方法を紹介 - PC Watch 新しめのPCでも動かない可能性が? 「Windows 11」を動作要件を改めてチェック! - - ITmedia 1万円台で購入できるゲーミングPC向けのZ97マザー! ASUS「Z97-PRO GAMER」発売 - アキバ総研 ASUS、実売18000円のZ97搭載ゲーミングマザー - PC Watch ASUSからR.O.G.ではないZ97採用のゲーミングマザーが発売 - ASCII.jp Z97-PROなどに挿せるASUSのThunderbolt2増設ボード - 週刊アスキー - 週アスPlus ASUS製Z97マザーはファン回転数制御などソフトの充実が圧倒的 (1/3) - ASCII.jp 【レビュー】 機能満載のZ97マザー「ASUS Z97-DELUXE (NFC & WLC)」レビュー - PC Watch ASUS、デザインやUEFIを一新したIntel Z97マザーボード - PC Watch ASUSが9シリーズマザーを報道陣に公開 ファン制御を強化 (1/4) - ASCII.jp コメント 名前
https://w.atwiki.jp/ttmario64/pages/43.html
after kさんの改造マリオ64 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1202116
https://w.atwiki.jp/javadsge/pages/235.html
var point=new Array(); function sample(){ for(s=0;s 5;s++){ point[s]=0; } for(s=1;s 300;s++){ n=trial(); point[n]=point[n]+1; } paint(); } function paint(){ var sub=new svgpaint(); str=" svg width=\"500\" height=\"500\" "; for(s=0;s 5;s++){ str=str+sub.rect(100*s,500-point[s],100*s+100,point[s],"blue"); } str=str+" /svg "; $("#memo").html(str); } function trial(){ var k; n=0; for(k=1;k 5;k++){ if(Math.random() 0.5)n=n+1; } return n; }